網走市が総合戦略の中間報告
網走市が総合戦略の中間報告
達成厳しい項目多く
網走市は、人口減少に対応するための「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に盛り込んだ各施策の進ちょく状況を、網走市議会の地方創生総合戦略検討特別委員会に報告した。長イモの海外輸出量や観光客宿泊数など多くの項目が、目標値を達成するには厳しい状況にある。二期目主要政策テーマを「人口減少社会への挑戦」とする水谷洋一市長による、今後の舵取りに期待がかかる。
長イモ輸出など前年割れ11項目
網走市の総合戦略は、平成27年10月に策定。政府が進める地方創生(自治体には関連事業に交付金を配分)に伴い、市は管内で最も早く策定し、注目を集めた。
戦略は人口減少対策の施策集だ。基本目標ごとに『実現すべき成果に係る重要政策指標』(KPI=目標値)を設定していることが特徴で、市は平成31年度までの達成をめざす。
網走市議会に提出した資料には、68項目(学力テストの関連項目は除く)の施策と、各施策の27年度と28年度の達成値(26年度の基準値に対して)などが記されている。
68項目のうち、27、28年度ともに目標値を下回っているのは42項目あり、6割を占めた。未達成な42項目のうち、〔前年割れ〕(28年結果が27年より下回っている状況)は11項目だった。
〔前年割れ〕の11項目は、「中心市街地通行者数(平日)」や「特定健診受診率」「農大卒業者の市内就職数」などだ(表参照)。
戦略策定後、水谷市長自身がカナダやタイへ出向いてプロモーションした「長イモの海外輸出量」は、戦略策定から減り続けている。資料によると、26年度の輸出量は500トン、27年度300トン、28年度248.8トンとなっている。
「観光客の宿泊数」「天都山周辺施設入り込み客数」の28年度結果は基準年(26年度)を上回っているものの、目標値を達成するには“地方創生メニュー”だけに頼らない、水谷市長独自の施策を打ち出すことが求められそうだ。 (大)