「小説国泰寺物語」を出版
2010/02/04掲載
(北見市/文化)
北見市の男性…親友との約束を本に
北見市若葉の佐久間博美さん(72)がこのほど釧路管内厚岸町にある国泰寺を舞台にした「小説国泰寺物語」を出版した。親友との“約束”を果たそうと構想から約30年をかけて完成した本に「ほっとしました。周囲に支えられ1冊の本にできたことに感謝したい」と喜びを語る。
家族や教え子とともに30年かけ
本は史実を元に歴代住職の苦労や人々との交流が書かれ、フィクションで寺の前に捨てられた子どもが青年僧に成長する過程を描いている。
佐久間さんは舞台にした国泰寺に小学生の時に訪れ、住職の講話が「今でも鮮明に記憶に残っている」と語る。その後、釧路市の釧路湖陵高校へ進学。厚岸町出身の男性と親友となり、卒業後も家族ぐるみの付き合いを続けた。
昭和53年に北見藤女子高校で国語の教師として勤務することになり、北見に住んでからも時折、男性と「厚岸を舞台に何か書いてみたい」と本の構想を語り合っていた。
平成4年に男性が病に倒れ、平成13年に死去。この時、佐久間さんは男性の愛した厚岸を舞台に本を書く「約束」を果たそうと決意した。しかし、自らも糖尿病や脳梗塞などで入退院を繰り返し、執筆は思うように進まなかったそう。
資料集めや校正など、家族が佐久間さんの目となり足となり少しずつ作業を続けた。拡大鏡のプレゼントや手書きの原稿をパソコンに入力する作業など、教え子からも支えられ、目に涙を浮かべて「みなに感謝しています」と佐久間さん。
あとがきに「そのうちまた国泰寺の桜を見ながら酒を酌み交わそう」とメッセージを残した本は男性の仏前にも届けられ、大切に飾られている。
全286ページ。定価1200円。市内の福村書店北の書籍館などで販売している。(理)