平成元年に夫婦で菓子店を開業。当初は輸入の小麦粉も使っていたが、まもなく「地元に麦があるのなら、それを使うのが普通でないのかな」と思うようになったそう。当時のチホクコムギから現在のホクシン品種へと原材料の全量を道産に切り換えてから9年余り。くちづてに乳製品や蜂蜜、鶏卵など「地元のこだわった生産者と付き合えるのが喜びになっていった」という。
その頃、ライ小麦の粉を担いで店を訪れる、こだわり農家も現れた。同郷の北見市常呂町の男性で、国産を栽培しているのは今では1軒だけ。「その真っ直ぐな思い入れに、こんな農家もいるんだと感激してオリジナルクッキーが実現した」そう。
小麦は製粉工程があるため、農家は出荷後の行方が分からない。柏倉さんは「はっきりと生産者が分かってこそ北海道の食を守れる」と食の自給ネットワークのメンバーに参加。「最近、地産地消がブームのようになっているのに危険性を感じる。地道でも地に足のついた取り組みを続けていきたい」と語った。(寒)