夏日、真夏日と暖かい日が続き、水がぬるんだ北見地方の水田で今年の田植えが始まった。全国的なコメ不足のなか、稲作農家は「おいしいコメをいっぱい食べられるよう、質の良いコメをたくさん作りたい」と豊穣の秋をめざす。淡々とながら、初日にはやや緊張感をもって作業にあたっている。
農水省北海道農政事務所の統計によると、オホーツク・十勝地域の水稲(すいとう)の作況指数は平年を100としたとき、この10年間の平均値は106・6。一昨年、昨年はともに109で最も評価の高い「良」だった。また全道の総収穫量は昨年、前年より1万9600㌧増加している。
コメ不足のなか、稲作農家は「作付けを急に増やすことはできない。水田を造成するには何年もかかる。質と量の良い現状のコメ作りに励むだけ」と語る。
オホーツク総合振興局が21日に発表した、今月15日現在の管内農作物の生育と農作業の進ちょく状況によると、苗の草丈は昨年が14・6㌢で今年は11・8㌢と生育は平年に比べやや遅れている。
北見市端野で21日に田植えを始めた農家は「このところの暖かさで苗が12~13㌢に生長した」と例年同時期の開始となった。よく見ると田植え機の運転席には誰もおらず、GPSによる自動操作(写真左)。「手が空く分、丁寧な苗の扱いができる。決してスマートではないんです」と、気持ちのこもったコメ作りに励んでいた。 (寒)