バイオ工法は、「微生物の働きを利用して、有害物質で汚染された自然環境を分解することで土壌地下水などを浄化する」(市の資料より)。
ホテル運営会社は昨年9月までの計4回、ホテル周辺の6カ所でバイオ工法による浄化作業を実施。最新調査の結果では、すべての地点での土壌ガス濃度が目標値を大幅に下回ったため、道は専門家による検証を依頼したところ、「浄化は完了。当該地の地質の特性から河川・湖沼に漏洩する可能性は極めて低い」と判断された。
こうした経緯を踏まえ、道は3者による覚書の締結を提案。今後は、ホテル側と地元の意向を踏まえた上で、年度内の締結をめざす。
覚書は、重油による万が一の事態に備え、関係機関の役割を明確にした上で、漁業被害や地域環境に与える影響を最小限に抑える狙い。条項には、ホテル側は流出地点周辺のモニタリング調査を定期的に実施することなどが盛り込まれる見通しだ。
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重油漏れ問題の発覚当初は、新聞やテレビなどでも大きく報じられた。地元の網走市議会では早期解決を図るため独自条例の制定を試みる動きもあった。
道の提案による、覚書が締結されれば、今回の重油問題はひと区切りつくことになりそうだ。 (大)