連載 人口減少社会に挑戦へ「網走市第三期総合戦略」③

2025-05-29 掲載

(網走市/社会)

合計特殊出生率の目標、2029年「1・31」に

 網走市は「第三期総合戦略」(2025~29年の5カ年)で、合計特殊出生率(※)を29年に「1・31」とする目標を立てた。目標を達成するため、「カップル成立数」や「子育てしやすいと感じる割合」増などの施策に取り組むとしているが、目標値の設定根拠が不透明なケースもある。水谷洋一市長の〝本気度〟が試される。 (大)

達成へ「出会いの場の創出」掲げ
「子育てしやすい」割合は減少傾向

 合計特殊出生率の目標値を達成するために掲げた施策の一つに「出会いの場の創出」がある。

 戦略には「若い世代の出会いの場を創出するため、街コンや交流会などの開催を支援する」と記され、カップル成立数の目標値も掲げられる。

 街コンや交流会などの開催支援は、第二期戦略にも盛り込まれており、市は、20(令和2)年~23年の4年間で8組のカップルが成立したとするが、その根拠は「交流会主催者からの報告のみ」(担当者)で、実態は不透明な部分が多い。

 第三期戦略では、「子育てがしやすいと感じる」割合を29年には65%とする目標を立てた。基準値の23年の割合は59・3%で、6ポイントほど上昇させる考えだ。

 第二期戦略でも同様の目標が掲げられ、24年に「65%」とした。しかし、その割合は減少しているのが実情だ。

 目標を設定するためには、「子育てしやすいと感じる」割合が減少傾向にある要因を探ることが必須だ。しかし、そうした調査が行われた形跡はないのが実態だ。

(※15~49歳の全女性の年齢別出生率を合計した人口統計の指標)

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  • 人口減少社会

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