第36回北海道救急医学会救急隊員部会の総会と研修会が5月30日、北見芸術文化ホールで開かれた。全道各地の消防職員らが参加し、講演や各消防本部の事例発表に耳を傾けた。
同部会は救急隊員の教育・研修・研究の場として活動。隊員の知識と技術の向上を目指し、年々高度化する救急業務への対応を図る。北見開催は13年ぶりで、約300人が参集した。
研修では、札幌医科大学医学部教授の成松英智氏が「北海道の地理的特性から考える救急・災害医療」と題して特別講演。成松氏は「北海道は、患者の搬送距離が長い非都市地域の重症救急医療が課題」と指摘。道路整備や搬送手段の改善、ドクターヘリのカバーエリア拡大など行政への働きかけが重要と訴えた。
また、大規模災害では「北海道は巨大な離島」とし、本州からの受援や患者の道外搬出の面でのぜい弱性に言及。「災害の超急性期は、道内の人材や資機材だけで始動するしかない」と警鐘を鳴らした。
このほか各消防本部の取り組みを紹介する事例発表などが行われた。 (柏)