置戸町常元の鹿の子沢で大文字草(ダイモンジソウ)が、かれんに咲きだした。名物の忍び岩にしがみつくように1、2輪、がんばって咲いている。
ユキノシタ科の多年草。京都五山送り火の大文字焼きと同様、5弁の花の形状が「大」の字に似ることから名付けられている。上側の3枚の花弁に対し、下側の2枚の花弁のほうが長く筆字のようにはねる。盆過ぎに咲くのは、送り火に縁があるのだろうか。
近場では斜里岳の沢登りの岩肌や北見市の最高峰・武華山頂上などの高山で見られる。
鹿の子沢では登山道中腹の忍び岩にひっそりと咲く。ほかの場所にはあまり見られない。切り立った大きな岩にひと株だけで、1㌢足らずの花は見逃してしまいそう。白い花弁と紅色の雄しべとのコントラストが上品だ。(寒)