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2023-09-12
社会
北見市は、災害発生に備えて必要な情報をまとめた「防災いつでもノート」と水害発生想定区域を記した「洪水ハザードマップ」を全面改訂した。すでに端野、常呂、留辺蘂に配布しており、近く北見自治区の配布を開始する。
防災いつでもノートは、21年の災害対策基本法改正や22年の避難情報に関するガイドライン改定に伴い、8年ぶりに全面改訂。サイズは従来のA4判からB4判に変更し、他の資料に紛れず目に付きやすいようにサイズアップを図った。カラー印刷全20ページで「警戒レベルを用いた避難情報」「避難行動ガイド」をはじめ家の中の安全対策や非常持ち出し品のチェックリスト、災害種別の対策などを盛り込んだ。
中小河川の浸水想定区域を追加
電子版ハザードマップも導入
洪水ハザードマップは4年ぶりの改訂。災害時の使用も想定し、破れにくく耐水性のある素材を採用した。サイズはA1判の両面カラー印刷で北見自治区版は2枚、端野、常呂、留辺蘂自治区版は各1枚。千年に一度の大雨で浸水が想定される区域を色分けして表示している。
また、水防法の改正で常呂川や無加川など主要河川のほか中小河川も対象となったため、浸水想定区域を追加した。
北見自治区も近く配布へ
防災いつでもノートと洪水ハザードマップは市のHPにも掲載。このほか新たに導入した電子版ハザードマップは、パソコンやスマートフォンなどから付近の浸水状況や最寄りの避難所が確認できる。10〜11月には、英語、中国語、韓国語にも対応する。市防災危機管理課は「一度目を通して自分の家の周囲の状況を確認していただきたい」と呼びかけている。(柏)
2023-09-04
社会
台風による暴風雨を想定した今年度の北見市防災総合訓練が8月31日、市内の川東河川敷多目的広場で行われた。消防や警察、自衛隊、民間事業者、地域住民ら約300人が参加し、情報収集や伝達、避難誘導、救助などの訓練に取り組み万一に備えた。
市防災会議が主催する毎年恒例の訓練で、9月1日の「防災の日」とその日を含む「防災週間」に合わせて実施。大型の台風による暴風雨で堤防からの漏水や土砂崩れ、ライフラインの被害などを想定した。
民間事業所が避難所の住民に生活物資を輸送する訓練では、ボランティアらも加わりダンボール入りの物資を手渡しで運んだ。
消防団の水防活動では、土のうを積み上げて堤防の決壊を防ぐ訓練を実施。警察と自衛隊は車両に閉じ込められた被災者救助、消防は河川の増水で中洲に取り残された住民をボートで救助する訓練をそれぞれ行った。(柏)
2023-09-01
社会
北見市内では過去20年間で6回の大規模な自然災害、1回のその他災害(ガス漏れ事故)が発生。数年に1度の割合で何らかの大規模災害が発生していることになります。2019年以降は大規模な自然災害などは発生していないものの、「災害は忘れたころにやってくる」の教訓を胸に、今一度身の回りの防災対策を見直してみてはいかがでしょうか。(柏)
【備蓄と非常持ち出し品】
家庭でできる備えのひとつに備蓄があります。2007年の大規模断水の際は、深刻な水不足が生じ、給水車が出動する事態になりました。この時に浴槽などに生活用水をためておく習慣を始めた家庭もあったようです。
飲料水と非常食はそれぞれ3日分を用意。飲料水の目安は1人1日2・5〜3㍑、非常食はアルファ米などのご飯、ビスケット、乾パン、板チョコなどが推奨されています。
このほかトイレットペーパーやティッシュペーパー、ライターやマッチ、ろうそく、軍手、タオル、懐中電灯、携帯ラジオ、救急用品セットなど。その他にもどんなものが必要かを考え、非常用持ち出しバッグなどにあらかじめ詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
【家具の置き方】
大規模な地震では家具の下敷きになって命を落としたり、大怪我をする人も少なくありません。地震への備えとして、家具の配置を今一度確認しておくのも大切です。
寝室や子ども部屋の家具は可能な限り少なくし、置く場合はできるだけ背の低い家具を選ぶことで下敷きになるリスクを軽減させることができます。また、家具が倒れた場合に出入り口を塞がないようにし、転倒防止の固定具を使用するのも有効です。
【家族の安否確認方法の確認】
家族が別々の場所にいる時に災害が発生した場合でも、お互いの安否が確認できるように、あらかじめ安否確認の方法や集合場所などを話し合っておくことが大切です。また、携帯電話で連絡が取れなくなる事態も想定し、災害用伝言ダイヤル「171」の利用方法も確認しておきましょう。
【避難場所と避難経路の確認】
各市町村が配布している防災ハザードマップに記載されている最寄りの避難場所を確認し、そこへ向かう避難経路も確認しておきましょう。できれば避難経路を一度自分の足で歩いてみると、地図だけでは分からない危険カ所など新たな発見があるかもしれません。
2023-08-31
社会
災害は忘れた頃にやってくる—。北見地方ではコロナ禍を含むこの数年、大きな自然災害は起きていないものの、過去20年を振り返ると市民生活を脅かすような大規模災害が何度も発生しています。9月1日は災害について認識を深め、防災意識を高める「防災の日」。この日を含む1週間は「防災週間」、9月は「防災月間」とされています。この機会にあらためて身の回りの災害への備えについて考えてみてはいかがでしょうか。(柏)
大雪や断水、大雨などが発生
【過去20年間に北見市内で発生した主な災害】
2003年以降に北見地方で発生した主な災害をまとめてみました。地震やそれに伴う停電、台風や大雨、暴風雪など様々な災害により交通や物流、市民生活や経済活動などに大きな影響が及びました。
● 2003年「十勝沖地震」=9月26日、十勝沖でマグニチュード8・0の地震が発生。新冠町や「釧路町では震度6弱の強い地震が発生、北見市内でも震度5弱を記録し、強い揺れに見舞われた。液状化減少により畑が陥没するなどの被害が生じた。
● 2004年「大雪」=1月14〜16日、最大積雪値171㌢を記録する大雪が北見地方を襲った。石北本線は全面運休し、道路も交通がマヒ。雪害事故が発生し、物流にも大きな影響が出た。
● 2007年「ガス漏れ」=1月19日、春光町でガス漏れによる一酸化炭素中毒事故が発生し、3人が死亡、11人が病院で手当を受けた。付近の77世帯178人が避難した。原因は老朽化したガス管の破損。
● 2007年「大規模断水」=6月23日、浄水場への濁水流入により北見・端野自治区の計5万9千戸が断水した。集中豪雨により常呂川の濁度が上昇、浄水施設の処理が追いつかなかった。1カ月後の7月24日にも大雨により3万6千戸で断水が発生した。
● 2013年「暴風雪」=3月2〜3日、急速に発達した低気圧の影響で暴風雪に見舞われた。特に常呂自治区は各地で通行止めとなり帰宅困難者が発生する事態に。この災害で死者1人、帰宅困難者は308人。車の立ち往生が81台発生し、陸上自衛隊に救助を要請。停電369戸の被害が出た。
● 2016年「連続台風」=8月17〜30日、台風7号、11号、9号、10号と4つの台風が上陸、または温帯低気圧となって北見地方を通過。積算降水量が歴代1位となるなど記録的な大雨となり、床下浸水10件、農地・農作物被害203㌶、路面や路肩の崩壊など81カ所、停電551戸などの被害が出た。
● 2018年「胆振東部地震」マグニチュード6・7、北見地方は震度3を記録。地震発生直後に道内全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生。市内26カ所に避難所が開設され、学校や公共施設が臨時休業するなど大きな混乱が生じた。
2023-08-03
社会
常呂川の氾濫を想定した水害タイムライン避難訓練が7月30日、北見市常呂で行われた。
市、道、国の関係機関が連携して洪水などの災害に対応する「常呂川下流地区水害タイムライン」に基づく検証訓練。関係機関のほか末広、南町町内会の住民が参加した。
タイムライン(防災行動計画)とは、防災機関などが災害発生時に、それぞれの取るべき行動を「いつ」「誰が」「何を」と詳細に整理した計画。市、河川管理者、消防、警察、自衛隊、地域住民などで構成する検討会が同自治区の豪雨災害に備え、水害タイムラインを策定している。
訓練では、避難指示に基づき、住民が次々と避難場所の常呂中学校に避難。体育館には段ボールベッドや簡易トイレなどを設置。検温や氏名の確認など一連の手続きが行われた。
このほか常呂総合支所や常呂町公民館では、関係機関をウェブでつなぐ情報伝達の訓練も行われた。(柏)
2023-07-21
社会
北見市東相内町の西10〜11号線間で行われていた市道・三輪通の改修工事が完了し、20日に供用が開始された。
西5号線から11号線に至る三輪通(全長4570㍍)は国道39号と夕陽ヶ丘通のほぼ中間に位置し、1972年、幹線道路として都市計画決定。計画に基づく改修・拡幅工事が93年度から始まり、約30年にわたり断続的に整備が進められてきた。
最後の工事区間となる西10〜11号線間(562㍍)では、とん田川に架かる人道橋を撤去し、代わりに車両と人の通行が可能な橋長38㍍、幅員20・3㍍の橋を建設。東相内中の生徒に名称を募り、「未来橋」と命名した。橋はすでに歩道のみ供用が始まっている。
さきごろ橋の西側、東相内中の近くで行われていた舗装工事などが完了。東相内通に接続し、国道39号に抜けられるようになった。地域交通の利便性改善に加え、避難場所に指定されている東相内中へのアクセスが向上し、防災上の役割も大きい。(柏)
2023-07-12
社会
北見地域定住自立圏協定を結ぶ北見市、美幌町、津別町、置戸町、訓子府町の防災担当職員による気象防災ワークショップが7日に北見市庁舎で開かれ、台風を想定したグループワークに取り組んだ。
協定に基づき「中心市」の北見市と4町が連携し、地域課題の解決に取り組んでいる。この日は各自治体の防災担当部局でつくる防災部会が対面形式でワークショップを行い、職員15人ほどが参加。網走地方気象台の職員が講師やアドバイザーとして加わった。
最初に同気象台地域防災官の古館敬一氏が防災気象情報の活用方法を解説。続いて参加者は九州の架空の自治体職員との想定でワークショップを実施。4つのグループに分かれ、気象情報をもとに避難方法をいかに住民に伝達するかなどを判断する訓練に取り組んだ。(柏)
2023-07-04
行事
北見地区消防組合消防本部など主催の2023防災フェスティバルが1日、北見市の川東河川敷多目的広場で開かれた。
消防団員、消防隊員、消防関係団体と市民が交流し、防災意識を高めるイベントで、2019年以来4年ぶりの開催。
会場にはレスキューや放水など消防士の仕事が体験できるコーナーを開設。子ども達が目を輝かせながら取り組んだ。
このほか消防団のポンプ車操法や小隊訓練、幼年消防クラブのマーチング演奏などが披露され、家族連れなどが楽しみながら防災について学んでいた。(柏)
2023-06-28
政治
誰一人取り残さないまちづくり─は町議会議員も同じ。
4月の訓子府町議会議員選挙で初当選した北川克良氏(64)は下肢などに障がいがあり、車いすの生活を送っている。初の定例会に向けて町議会は、車いすでの質問者が登壇するための簡易スロープを設けた。そのほか、議事堂のある役場庁舎内の構造はすでにバリアフリーになっていて、北川議員は「まったく不便はないし、人にやさしい庁舎を改めて実感しました」と話す。
従来から正面玄関のすぐ横に障がい者用駐車場が設けられ、段差のない庁舎玄関を入ると近くにエレベーターがある。2階にある議事堂では議員席から質問者席へと2段、下りなければならなかった。
段差解消 ノーマライゼーションへ
高さ12㌢ほどの2つの段差の解消へ、木製の台を作製。机までの動線を確保し、車いすに腰掛けた目線の高さで机に着けるようにした。台を分割することで、議会事務局職員が容易に着脱することが可能になっている。
20日の定例町議会一般質問で北川議員がトップバッターで登壇。質問者席まで車いすでスムーズに移動した後、「町の防災対策」「図書館建設」について質問した。
このうち町の防災対策について北川議員は「要介護者を含めた避難訓練をする予定はあるか」と質問し、伊田彰町長は「より身近な地域においての訓練で行っている。町全体の総合防災訓練でも一つの提案として受け止めさせてもらう」と前向きに回答した。伊田町長は先の町長選で「今こそ心の時代、人を思う心、人によりそう心、人を支える心、誰一人取り残さないまちづくり」を第1のスローガンに掲げ当選している。
傍聴席にはスロープが設けられていて、車いすで傍聴に訪れる町民の姿もあった。
「誰もが立候補できるような選挙の仕組みづくり」を掲げ、当選した北川氏。初めての一般質問を終えて「議事堂内も不便なかった」とホッとした表情をみせる一方「ただ自分が緊張しちゃって」と新人らしく初々しい感想を語った。(寒)
2023-06-26
教育
美幌高校の生徒が水防や人命救助を学ぶ「一日防災学校」が22日、高校で行われた。1年生46人が陸上自衛隊美幌駐屯地の隊員に土のうの作り方や胸骨圧迫などを学んだ。
災害時の救助などについて日頃から訓練を積み、経験豊富な地元の自衛隊員から防災を学ぼうと初開催。第6即応機動連隊の隊員11人が講師を務めた。水防に関する講習では、土のう袋の代わりにビニール袋を使って土のうを作る方法を学習。「結び目を下にして」などと指導を受けながら、実際に積み上げる体験もした。
このほか、救助者の確保などに役立つロープの結び方や、毛布と角材で簡易的な担架の作り方、胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方も学んだ。
昼食を兼ねて、自衛隊の野外炊具で炊いた白飯も試食。講習を終えた内林漣さん(未来農業科)は「ロープの結び方が勉強になった。災害時はもちろん牛の飼育など農業の場面でも役立ちそう」と話した。(浩)
2023-06-09
社会
役場機能のほかカフェやフィットネスジムなどを併設した、小清水町の防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」が完成し、一般利用も可能となった。日常のにぎわい空間が災害時にも役立つよう工夫されている。
「ワタシノ」は、旧役場が老朽化したことから建て替えた。災害時の避難場所でもあった中央公民館と一体化し、日常は町民の交流・健康拠点ともなる一方で、災害時の防災拠点としての機能を併せ持つのが特徴だ。
鉄筋コンクリート造り地下1階・地上2階の総床面積約3949平方㍍、事業費は約29億3900万円。役場機能は1、2階にあり、同町商工会も入る。
町民が自由に利用できるコミュニティスペース(1階)には、カフェやフィットネスジム、ボルダリングウォール、ランドリーが併設される。コミュニティスペースは、飲食や仕事、勉強の場などとしても活用できる。
ワタシノは、日常時に役立っているものが非常時にも役立つといった「フェーズフリー」の概念を取り入れている。例えば、災害時に町民が避難してきた際、カフェは炊き出し機能、フィットネスジムやランドリーは衛生面の確保機能を発揮する。
先日のオープニングセレモニーで久保弘志町長は「まちが小さくても素敵なまちになるよう職員全員が一丸となり、新たな気持ちで取り組んでいきたい」などとあいさつした。(大)
2023-05-26
社会
小清水町の防災拠点型複合施設「ワタシノ」のオープニングイベントが28日(日)午後1時、開かれる。来場者には、小清水町産ジャガイモを使用した「復刻版カルビーポテトチップス」をプレゼントする。
「ワタシノ」は、役場庁舎と避難所である中央公民館の一体化をはかり、町民の憩いの場・まちの賑わい創出につなげる狙い。施設にはコミュニティースペース&カフェ、ランドリー、ボルダリングウオール、フィットネスジム&スタジオが併設される。災害時は一時避難所になるほか、炊き出しスペースなどに応用する。
オープニングセレモニー当日は、施設内を自由に見学できる。「復刻版カルビーポテトチップス」の配布は、カルビーポテトチップスの製造が1975年に小清水町で始まった歴史を踏まえ、来場者1人に1袋提供する。
問い合わせは、町企画財政課(0152-62-2311)かNPO法人グラウンドワークこしみず(同67・6270)へ。(大)
2023-05-24
教育
第64次南極地域観測隊に派遣された北見工業大学の教官と学生合わせて3人による「帰国報告会」が17日、同大学講堂で開かれた。
同大学地球環境工学科の舘山一孝准教授(51)と佐藤和敏助教(35)、大学院博士前期課程社会環境工学プログラム2年(当時1年、23)の吉田悠嗣さんの3人。昨年11月から今年3月にかけて151日間にわたり派遣された。
舘山准教授は冒頭、同大学の多数の研究者が南極観測に携わっている歴史にふれ「地域の過去と現在を知るためにも南極地域の研究の意義は大きい」と紹介。北見北斗高校から同大大学院、北大低温科学研究所などをへて同科環境防災コースで北極圏の海氷の厚さを測る研究などを行う。
行かないと分からない出来事も
南極観測は4回目。地球温暖化で氷山が崩壊するイメージがあるが、報告では「実は南極の海氷面積は増えている」と指摘。水蒸気量が増えて雪を降らせることで氷が厚くなり、「観測船しらせも(海氷面積が大きいので)苦労して進んだ」そう。現在は減少傾向にあり「氷は大きくなったり小さくなったり一定ではなく、今後も研究し予測精度を上げて役立てたい」とまとめた。
佐藤助教と吉田さんは鉛直飛行観測でドローンを計161回飛ばしたことなどにふれた。南極が気象観測例の少ない地域であることから、佐藤助教は「最新レーダー機器とドローンを組み合わせることでより有意義な情報が提供できると思う。南極は研究素材として魅力的な所」だと述べた。
吉田さんは学生らしく初参加の感想にふれ「ブリザードは意外と湿気があり、衣服がすぐに着雪で覆われる。閉じ込められて3日目には宿泊施設内で鍋パーティーをして過ごした。4日目に太陽が見えて気分も晴れやかになった」と紹介。「今後は(南極観測に)憧れる側から伝える側に」と興味を誘った。(寒)
2023-04-20
社会
北見市は、災害発生に備えて必要な情報をまとめた「防災いつでもノート」と水害発生時の避難に役立つ「洪水ハザードマップ」を全面改訂し、7〜8月をめどに市内で全戸配布する。いつでもノートは避難時に必要な情報の追加や変更を行い、ハザードマップは浸水想定区域を見直した。
市は2015年、防災いつでもノートを作成し、全戸に配布した。21年の災害対策基本法の改正や22年の避難情報に関するガイドラインの改定に伴い今回、8年ぶりに全面改訂する。
サイズは従来のA4判からB4判にサイズアップし、他の書類に紛れず目に付きやすいように変更。カラー印刷全20㌻で「警戒レベルを用いた避難情報」「避難行動ガイド」をはじめ家の中の安全対策や非常持ち出し品・備蓄品のチェックリスト、災害種別の対策などを盛り込む。
洪水ハザードマップは千年に一度の大雨で浸水が想定される区域を色分けして表示。17〜18年以来の改訂で、想定に変更はないが、水防法の改正で対象河川が追加されたため、それに伴い浸水想定区域を追加した。併せて浸水想定区域の色合いも変更した。
マップは市HPでも確認可能に
「届いたら手にとって内容確認を」
A1判の両面カラー印刷で北見自治区版は2枚、端野、常呂、留辺蘂自治区版は各1枚を作成。市のホームページにもマップを掲載する予定。
市防災危機管理室は「配布後は、ぜひ手に取って内容を確認してほしい」と話している。(柏)
2023-04-18
社会
北見市は、市泉町(北見芸術文化ホール駐車場横)に新たな防災備蓄倉庫(集中備蓄倉庫)を整備するための事業費(現年度分1290万円)を今年度予算に計上した。市内最大規模の倉庫となる予定で、今年度は基本・実施設計に着手し、3年後の2026年度使用開始を目指す。
市は指定避難所の小中学校などに分散備蓄を行い、災害発生直後の物資供給に備えている。このほかひかり野に集中備蓄倉庫を設置し、避難生活が長期化した場合などは、避難所への物資補充に対応する。
ひかり野防災備蓄倉庫(180平方㍍)は2007年に建設。毛布や暖房、アルファ米などの食料、段ボールベッドなどを備蓄し、万一に備えている。
当初は国が想定した「100年に一度の大雨」でも浸水の恐れがないとされた場所だったが、15年の水防法改正で「千年に一度の大雨」に変更された際、浸水想定区域に入った。
新たな防災備蓄倉庫が建設される泉町の市有地(2千平方㍍)は千年に一度の大雨でも浸水想定外の区域。また、災害時に緊急自動車や物資搬送車の通行を確保する道指定の「緊急輸送道路」(国道39号など)に近接しているため、市は建設場所に選定した。
平時は食料や生活用品などを備蓄し、災害発生時には国が被災地に物資を緊急輸送する「プッシュ型支援」の受け皿にもなる。
今年度は基本・実施設計に着手し、24年度着工、26年度供用開始を予定。市防災危機管理室は「具体的な施設規模は今年度中に固めていくが、ひかり野の数倍を想定しつつ、過不足のない規模にしていきたい」と話している。 (柏)
2023-04-11
社会
北見歩こう会の定期総会が1日、北見市中央地区住民センターで開かれた。昨年を上回る76人が出席し、盛り上がりの気配をみせた。例会ウオーク、交流会などの自主事業を4年前程度に戻し年19回開催することを決めた。
4年ぶりに「でっかいどうオホーツク北見ツーデーマーチ」が6月10、11日に開催されるのをはじめ、市内を歩く定例行事のほか、滝上公園や網走の果樹園、置戸の祭りを訪れる独自ウオークを企画。11月の納会ウオークまでコロナ禍前程度の年間行事を予定している。
今年度は4月23日の「早春の町並み再発見ウオーク兼防災ウオーク」からスタート。北見芸術文化ホール前に午前9時に集合し、5㌔または10㌔のコースを歩く。当日会場での一般参加もOK。
改選で再選された牧野英夫会長は「マスクは自己判断で。楽しく歩きましょう」と呼び掛けた。(寒)
2023-04-05
社会
北見市内の太陽わらべ太鼓少年消防クラブ指導者の山内克也氏(65)=北見地区幼年少年婦人防火委員会会長=が、2022年度の総務大臣賞を受賞。3月30日に市役所を訪れ、辻直孝市長に報告した。
同クラブは、太陽わらべ太鼓保存会を母体に2010年に発足。北見市防災フェスティバルなどの火災予防啓発活動や全国少年消防クラブ交流会に参加するなど積極的な活動実績により16年、全国優良クラブに選出された。山内氏は指導者としてクラブ活動をけん引し、自身も全国の指導者研修会に参加するなど自己研鑽に努めた。
山内氏は受賞について「ひとえに消防関係者の皆様のおかげで嬉しい限り。賞に恥じないよう、さらに子ども達の指導に努めたい」と挨拶。
辻市長は「長きにわたる尽力に感謝。これからも指導をお願いします」と言葉を掛けた。(柏)
2023-03-24
社会
火災や災害発生時に力を発揮する消防団だが、近年は全国的に団員不足や高齢化が深刻化し、地域防災力の低下が危惧されている。北見地区消防組合管内(北見市、置戸町、訓子府町)でも団員数の減少傾向が続き、消防は担い手確保に頭を悩ませている。
同組合管内では北見、端野、常呂、留辺蘂、置戸、訓子府の6消防団が活動。2022年4月1日現在の全団員数は678人で、10年前の13年に比べ49人(6・7%)減少した。エリア内の人口減少や社会環境の変化などが背景にあると見られる。
13年には42歳だった団員の平均年齢は、22年には45歳に上昇し、高齢化もじわじわと進行。団員の就業形態は、かつては自営業や農業が中心だったが、近年は会社員の団員が増えるなど変化が見られる。
訓子府は充足率100%、チーム組み勧誘に知恵絞る
消防団は団ごとに定数が定められており、同組合管内では北見223人、端野130人、常呂100人、留辺蘂135人、置戸127人、訓子府105人の計820人。定数に対する22年の充足率は82・7%で13年に比べ6・0ポイント低下した。
団ごとの充足率は北見が90・6%、端野73・8%、常呂67・0%、留辺蘂84・4%、置戸74・0%、訓子府100%と団により開きがある。
このうち訓子府は充足率が70%台に落ち込んだ時期に団の有志がプロジェクトチームを立ち上げ、全戸へのチラシ配布や商店街、事業所への掲示、20〜40代の住民や新規採用町職員への声掛けなどを実施。こうした努力が実り22年は実員いっぱいの105人、充足率100%。全国的に見ても顕著な功績により総務大臣感謝状などが贈られた。
大規模災害時マンパワー必要
近年は活動しやすい環境づくり進む
近年は、消防団への従業員加入などを社会貢献と認める「消防団協力事業所表示制度」、消防団員として活動する学生に証明書を交付する「学生消防団活動認証制度」など、消防団の間口を広げる制度が創設されている。
2007年に北見地方で発生した大規模断水では消防団が給水活動に従事し、地域防災力を発揮。消防本部は「大規模災害発生時に頼りになるのは消防団のマンパワー」と語り、団員の新規加入を呼びかけている。 (柏)
2023-03-13
政治
大空町は2月28日、2023年度予算案を発表した。一般会計は22年度当初比19・0%増の92億2151万円。22年度が骨格予算だったことに加え、役場庁舎大規模改修事業、大空地区河川防災ステーションの整備負担金が金額を大きく押し上げた。特別会計などを含めた総額は同13・6%増の119億9138万円とした。
主な事業のうち役場庁舎大規模改修は6億8078万円を計上。大規模改修は1985(昭和60)年の完成以来初めてで、22〜24年度の3年で空調や電気設備、内外装などを改修する。役場庁舎と同じく消防庁舎も22年度から大規模改修を進めており、23年度は1億672万円を負担する。
河川防災ステーションは、災害時の防災拠点として国が女満別湖畔に整備。23年度は整備や防災訓練などの経費2億3355万円を負担する。
子ども医療費助成事業は2208万円を計上。中学3年生までの医療費自己負担分を助成する事業で、23年度から所得制限を撤廃する。
小中学校の全教室にエアコンを整備するため1億7299万円を投じる。大空高校の魅力化推進事業では、国内外の留学にかかる交通費や滞在費用を新たに助成する。
女満別研修会館は老朽化が進んでいるため、建設場所の選定を含め基本設計を行う。東藻琴芝桜公園の芝桜まつりには372万円を計上。施設の改修や今後のまつりのあり方を定める基本構想を策定する。
松川一正町長にとって22年4月の就任後初の予算編成。「子育て支援の部分で医療費を無償化したが、状況を見て今後、対象の拡大も検討したい。エアコン整備は、大きな費用はかかるが、子どもたちが快適に学習できる環境を整えたい」と思いを述べた。(浩)
2023-03-03
社会
北見市中心部の中央大通沿道地区再開発事業が新年度から始まる。さきごろ市議会の所管委員会に示された全体事業費は93億7千万円で、当初予算の80億円に比べ13億7千万円(17%)の増加。市は建設資材の高騰が増額の主な要因としている。
事業主体は、札幌の不動産開発事業者の特別目的会社。1・6㌶の開発エリア内に6階建の仮称・経済センタービルをはじめ市の休日夜間急病センター、高齢者福祉施施設、14階建の分譲マンションなどを建設し、2025年度に事業完了の見通し。今年4月以降に一部既存建物の解体工事が始まり、その後は順次各施設の建設工事に着手する。
全体事業費は93億7千万円の見込み。内訳は調査設計費4億5千万円、土地整備費14億3千万円、工事費72億4千万円、事務費2億5千万円。工事費が当初予算から10億4千万円(17%)増加しており、市は物価上昇に伴う建設資材の高騰が主な要因としている。
全体事業費のうち「防災・省エネまちづくり緊急促進事業」として国が1億4千万円を負担するほか、「社会資本整備総合交付金」として国と市がそれぞれ20億1千万円を負担する。 (柏)
2023-03-03
政治
2023年第1回定例北見市議会が2日に開会し、辻直孝市長が2期目の任期中最後となる市政執行方針を発表した。
辻市長は「2期目の仕上げとなる本年を、新たな挑戦を続け、さらにその歩みを進める年とするため、全身全霊を傾け取り組む」と強調。「市政運営の基本姿勢」では、デジタル化や脱炭素化の加速、自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進などを掲げた。
新年度予算案の一般会計は前年度当初比2%増の746億6千万円で、過去4番目の規模。北見経済センターの改築を含む中央大通沿道地区の再開発事業をはじめ、まちきた大通ビルに市保健センターと屋内子ども遊技場「パラきたkids」を開設するための関連経費、若葉団地再整備に要する経費などを計上した。
新規事業では泉町に新たな防災備蓄倉庫を建設する事業費、30代の市民を対象とする若年層健康診査事業費、学校指導者用のデジタル教科書購入事業費などを盛り込んだ。
今定例会の会期は24日までの22日間。
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北見市選挙管理委員会は、任期満了に伴う市長選挙の日程を9月3日告示、9月10日投票と決めた。北見市長の任期満了日は9月26日。(柏)
2023-02-27
政治
北見市は2023年度の予算案を発表した。一般会計は746億6千万円で前年度当初比2・0%増加。歳入ではふるさと納税の納税額は過去最高額の28億円を見込み、歳出は端野図書館の建替えや若葉団地再整備に向けた準備に着手。このほか防災や医療、教育などの分野で新規事業を盛り込んでいる。
特別会計(国民健康保険、介護保険事業など)は275億8700万円、企業会計(上下水道事業)は152億4100万円で、全会計の予算総額は1174億8800万円、同比0・8%増とほぼ横ばい。
新たな備蓄倉庫整備、30代向けの健診事業、端野図書館改築などの事業費を計上
都市再生関連事業は、官民協同で進める中央大通沿道地区の再開発を残すのみとなり、新年度は若葉団地建替えや端野図書館改築、野付牛公園再整備に向けた準備が本格化。また、2050年に二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」に向けた動きが始まり、医療や福祉、教育分野での新規事業が予定されている。
歳入のうち、市税は146億8200万円を計上し、同比5億1890万円(3・7%)の増加。ふるさと納税は同比8億円の増加を見込み28億円とした。
歳出の投資的経費は75億7500万円で、高栄団地建替などの大型事業が一段落することなどから同比12・1%減少。物件費は燃料費や光熱水費の高騰などで14・0%増加し、人件費はほぼ横ばい。
新規事業のうち、防災備蓄庫整備事業費は北見市泉町に大型の備蓄倉庫を新設するもので、26年度の使用開始を目指す。23年度は基本・実施設計費1620万円を計上した。
若年層健康診査事業費は、国保に加入する30代の市民に健康診査費用の一部を負担。対象者は自己負担500円で健診を受けられる。
このほか再生可能エネルギーへの転換を図るGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みとして端野総合支所や市民温水プールなど公共施設照明のLED化事業を計上した。
2023-02-20
政治
北見市は、第2期総合計画に基づく第5次実施計画(2023〜25年度)を策定した。新規25事業を含む266事業を盛り込んだ。
実施計画期間の年度ごとの事業費は23年度135億円、24年度159億円、25年度179億円と増加傾向。
主な新規事業は30代の市民を対象とする若年層健康診査事業、市内への新規開業医への支援事業、学校指導者用のデジタル教科書購入事業、端野図書館の改築と屯田の杜公園整備事業、防災備蓄庫の新規整備事業など。
新規以外の大型事業では、若葉団地建替事業は23年度に基本計画・基本設計、測量などを行い、24年度に実施設計や解体工事、25年度に着工を予定。野付牛公園再整備事業は23年度に実施設計などを行い24年度に建築、改修工事を見込む。民間主導で実施される中央大通沿道地区第一種市街地再開発事業は、土地整備と建設工事に対する事業費(補助)を計上した。 (柏)
2023-02-03
社会
常呂川下流地区水害タイムライン検討会の11回目の会議が1月27日、北見市常呂町多目的研修センターで開かれ、座長を務める東京大学大学院の松尾一郎客員教授は「タイムラインで命を守ることができる」と呼びかけた。
同タイムラインは、洪水などの水害発生時にいつ、誰が、何をするかを時系列で示す防災行動計画。同地区では行政機関やインフラ事業所、地域住民らでつくる常呂川減災対策協議会が2019年からタイムラインを運用。定期的に検討会を開き、情報共有を図りながら計画の実効性を高めている。
この日は昨年7月に実施した水害対策訓練を振り返り、参加者アンケートの結果を確認しながら課題や改善すべき点などを話し合った。
アドバイザーを務める日赤道看護大教授の根本昌宏氏が講演し、災害避難の危険性を指摘。特に車で避難する場合「渋滞が発生したり、大量の車を駐車するスペースが必要になることを想定しなければならない」とし、「車での避難を想定した訓練も必要ではないか」と提起。このほか車中泊避難や避難所の仮設トイレの問題点についても一考を促した。
熊本県球磨川の水害例に「住民の動き出し早かった」
松尾氏は、2020年に発生した熊本県球磨川流域の水害を例に、タイムラインの実効性を説明。松尾氏は同水害の発生前に策定された球磨川水害タイムラインの検討会議で座長を務めている。
「一部報道でタイムラインは使えないとの批判もあったが、実際は住民の動き出しが早く、情報に基づいて避難していることが明らかになった。タイムラインを実践すれば命を守ることができる」と強調した。 (柏)