北見市、北見工業大学、オホーツク新エネルギー開発推進機構の三者は21日、次世代エネルギーとして期待され研究が進む水素エネルギーについて、利活用などを検討する連携協定を結んだ。研究機関と行政・市民が一体となって機運醸成を図り、脱炭素さらには新エネルギーの地産地消へという道筋を進展・加速させたい考え。
同市は、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言。水素エネルギーを重要施策と位置付けており、その利用について検討している。
同大学は、北海道周辺海域で採取するメタンハイドレートを通じ、二酸化炭素を発生させずにメタンから水素を取り出す最先端の技術開発に成功している。
北見市役所で行われた締結式の後、同市の辻直孝市長は「水素は新エネルギーの切り札。連携は持続可能なまちづくりへの一歩」、同大学の鈴木聡一郎学長は「地球温暖化の影響は寒冷地ほど顕著で、大学として課題解決を図る技術開発が必要」、同機構の南尚嗣会長は「知見を共有し、実装データを活かして協議しながら進めていきたい」とそれぞれ述べた。
「北見を水素利活用の先進地に」
脱炭素から新エネルギーの地産地消目指す
具体的には市は今後、アンケートやセミナーなどを通じて水素エネルギーに対する市民の意識向上を図る。同大は研究開発する上での環境や水素供給インフラの整備において協力を受け、同センターとともに地域特性にあった水素利活用の方向性やビジョンを検討する。鈴木学長は「燃料電池自動車などの社会実装を通じて、北見が水素利活用の先進地になれば」と三者の抱負をまとめた。(寒)