さきごろ北見市役所本庁舎で「有識者による財政健全化に関する市長懇話会」が開かれ、金融、経済の専門家4人が意見を述べた。
4自治区のまとまりを指摘
「行政のスリム化困難」
北洋銀行北見中央支店の中地大介支店長は「4つの自治体がひとつになり切っていないのではないか。この問題を解決しなければコンパクトシティによる行政のスリム化は困難。移住者を増やすための宣伝やイメージ作りも大切」と述べた。
日本政策金融公庫北見支店の白井幹章支店長は「4自治区の人材交流を進めて全体を見渡せる人を増やし、外部の意見提案制度を設けてはどうか」と提案。
北海道財務局北見出張所の大久保直所長は「北見市の財政は、都市再生などの大型事業により地方債残高が増加する一方、積立金の残高が低く、債務償還能力は留意すべき状況。北見市は道内他都市に比べ面積が広く、公共施設の統廃合や複合化を進めるなど行政コストの改善に期待したい」とした。
先進的な電子自治体の強み生かし
業務フロー改善で経費節減を
地域経済に詳しい釧路公立大学の中村研二教授は、公共施設の見直しと併せて「先進的な電子自治体の取り組みを最大限に生かし、業務フローの見直しによる経費節減を」と提案。歳入面では、ふるさと納税の活用や手数料・使用料の見直しで歳入を確保し「持続可能な財政に戻して筋肉質なまちにしていく必要がある」と述べた。
市は今回の意見もふまえ、今夏に財政健全化の基本方針、秋に具体策を盛り込んだアクションプランを策定・公表するとしている。 (柏)