
美幌町遺族会(池野本滿会長)の定期総会が4月30日、しゃきっとプラザで開かれた。戦後80年を迎えることから、2025年度は戦没者慰霊祭の参列など例年の取り組みに加え「戦争体験を伝える語り部」(仮称)など戦争の悲惨さ、平和の大切さを訴える事業にも取り組む。
遺族会は毎年6月14日の美幌町戦没者追悼慰霊祭をはじめ、北海道戦没者追悼式などに参列。美幌町の慰霊祭前には、町内の戦没者429柱の名前が刻まれた役場庁舎駐車場南側の「平和の碑」を清掃している。
25年度はこれらに加え、戦後80年を記念して事業を計画。「戦争体験を伝える語り部」では、戦争経験者を講師に招いて体験談を聞き、次の世代に引き継ぐ狙い。道内のシベリア抑留経験者らを候補に調整を進める。
父親を沖縄戦で失った池野本会長、親族をフィリピンで亡くした網走市連合遺族会の増永賢尚会長がそれぞれの地の慰霊巡拝をレポートするイベントも企画。池野本会長は総会あいさつで「皆さんの協力をいただきながら精いっぱい頑張りたい」と節目の年度へ意欲を見せた。
総会には会員ら約15人が参加。総会後にはさっそく記念事業の一環で、シベリア抑留をテーマにした映画を観賞し、会員らは「父を思い出した」などと感想を述べていた。 (浩)