
ひかり野の防災備蓄倉庫は2015年の水防法改定により「千年に一度の大雨」に見舞われた場合、浸水想定区域内に位置づけられた。
新たな備蓄庫が建設される泉町の市有地(約2千平方㍍)は、千年に一度の雨でも浸水を免れる場所。また、災害時に緊急自動車や物資搬送車両の通行を確保する「緊急輸送道路」(国道39号など)や市役所本庁舎、市上下水道局などの主要施設に近接するなど地理的条件も良い。
建物は鉄骨造2階建で延床面積は730平方㍍。ひかり野の倉庫に比べ4倍の広さとなる。1階と2階の備蓄スペースには、発電機や石油ストーブ、毛布、段ボールベッドなどを保管。空調設備があるため、ひかり野の倉庫では保管できなかった水や液体ミルク、栄養補助食品などの保存も可能になる。
また、1階と2階で物資を昇降させるホイストやシューターも設置。建物内に中型トラック2台分の駐車スペースを確保し、荒天時でも受援物資の搬入がしやすくなる。
ひかり野の倉庫は備蓄品の移設後、市の水防拠点施設として引き続き利用される。
市は2026年夏までに共用を始めたい考えで、防災危機管理室は「備蓄品が充実するほか、被災リスクが低く、受援体制が整うなど新たな防災備蓄倉庫の意義は大きい」としている。 (柏)

