伝書鳩アーカイブズ

※各テーマの記事は最新のニュースから順に掲載しています。

テーマ:ヒグマ

ヒグマ目撃すでに9件 今年は早い動き出し

2025-04-29

社会

道警北本管内3月末の出没状況より

遭遇しないために 情報収集など対策を

北見市美里の農道に残されたヒグマの足跡(2011年9月) == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
北見市美里の農道に残されたヒグマの足跡(2011年9月)

 道警北見方面本部が発表した「ヒグマの出没状況」によると、3月末現在の管内目撃件数(1~3月)は9件。前年同期の0件に比べ大幅に増えており、今年はヒグマの春の動き出しが早いとみられることから注意を呼び掛けている。

 同本部によると、今年1~3月の警察署別の目撃件数は網走署、美幌署、紋別署が各2件、遠軽署、斜里署、興部署が各1件、北見署が0件。管内で広く発生している。

 過去5年間の管内出没目撃件数は、2020年が174件、21年203件、22年199件、23年382件、24年279件。山の食料が少なかったのか2023年が突出して多く、近年は増加傾向にあるようだ。

 ヒグマによる人身被害状況を6例公表している。

・2020年5月8日、滝上町字滝ノ上原野で62歳の男性が山菜採りで入山し、熊にかまれ負傷

・21年7月12日、滝上町字滝ノ上原野で、69歳女性が林道で死亡していた。熊に襲われたとみられる

・21年8月7日、津別町最上で66歳の女性と39歳の女性が農作業中に熊に襲われ負傷

・22年7月5日、滝上町字滝ノ上原野で68歳の男性ハンターが熊に襲われ負傷

・23年11月21日、滝上町字滝ノ上原野で49歳男性と58歳女性のハンター等が熊に襲われ負傷

・24年7月30日、斜里町字豊倉で64歳の男性ハンターが熊に襲われ負傷した

【ヒグマに遭わないために】

・事前にヒグマの出没情報を確認しましょう

・単独での行動は危険なので避け、複数人で行動しましょう

・熊鈴、ホイッスル、ラジオなどで音を出し、人の存在や接近を知らせましょう

・ヒグマの足跡やフンを見つけたときは、すぐに引き返しましょう

・薄暗いときの行動は控えましょう。ヒグマは夜行性動物で危険です

・食べ物やごみは持ち帰りましょう

※ヒグマの目撃や足跡発見は警察、市町村に連絡を。  (寒)

 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==

常呂町土佐でヒグマの足跡

2025-04-28

社会

南町団地付近…注意呼びかけ

 北見市常呂町土佐の南町団地付近の畑地でヒグマの足跡が見つかった。付近には民家もあり、常呂総合支所産業課は「これほど住宅地に近い場所での目撃は初めてではないか」と注意を呼びかけている。

 現場は国道238号線と市道基線の交差点から400㍍ほど南にある畑の中。所有者の住民が発見し、総合支所に通報した。猟友会などが確認したところ、足跡の大きさから子グマ1頭とみられる。

 同支所は付近の数カ所に注意喚起の看板を設置。同支所と警察が当分の間、周辺をパトロールするとしている。


ヒグマとの危険遭遇事案㊦

2025-04-24

社会

2024年度の2例目

道が公表
対策用品のチェックを

 ヒグマとの「危険遭遇事案」発生状況

◇2024年度2例目

【発生日時】2024年6月17日午後7時半頃

【発生場所】美唄市東明2区(ふるさとの見える丘展望台に至る道路)

【付近の状況】

・展望台へ向かう幅約5㍍の舗装道路

・遭遇場所は標高約230㍍、展望台から数百㍍手前の地点

・道路わきにはシラカンバやササが生育し、ササはヒグマが隠れるほどの高さ

【遭遇者情報】

・美唄市在住

・60代男性

【ケガ等の被害】

・なし

【鳴り物等の携帯】

・スピーカーで歌謡曲を流していた

・熊スプレーを携帯していた(使用経験あり)

∧発生状況∨

【遭遇者の行動】

・午後7時過ぎにジョギングを開始

・展望台から数百㍍手前の直線路を走っている際、右側の藪からうなり声が聞こえた気がして、10㍍ほど進んだ位置で停止

・振り返ってウエストポーチから熊スプレーを取り出し、ストッパーを外して大声を上げていると、うなり声が聞こえた辺りの藪からヒグマが現れ、走って向かって来た

・約5㍍の距離でスプレーを噴射し、4~5秒間噴射し続けると、ヒグマは遭遇者から2~3㍍の距離で方向転換し藪へと走り去った

・ヒグマの逃走後、気配を感じなくなってからすぐに引き返し、公園管理事務所に目撃情報を報告後、帰宅してから警察に通報した

∧出没個体の特徴∨

【行動形態】ガードレールを乗り越えて、うなり声をあげながら遭遇者に向かって走って接近

【痕跡】なし

【逃避行動等】熊スプレーの煙を浴びながらも進み続けたが遭遇者の2~3㍍手前で方向転換して藪に走り去る

【出没個体への対応】なし

【住民への対応】

・ふるさとの見える展望台に至る道のふもとのゲートを封鎖

・出没注意看板を設置

・市役所によるパトロールを実施

・目撃情報を市のスマホアプリとホームページに掲載

∧考察∨

【発生要因】

・出没個体は遭遇者の手前で逃走し、執拗につきまとうといった行動を見せなかったことから、捕食等目的の積極的な攻撃とは考えにくい

・うなり声が聞こえてからの突進であるため、近くにシカの死体などの食物があった場合や近くに子グマがいた場合、これを守る防御的な攻撃だった可能性がある

【対策】

・ヒグマの活動が活発になる薄暮時にヒグマが生息する環境で単独で活動することはリスクの高い危険な行為であるため、ヒグマが居そうな環境や時間帯を避け、複数人で活動することが望ましい

・絶えず音が鳴り続けていると、動物の声や藪の音等の周囲の音が聞き取りにくくなる恐れがあり、ホイッスルの使用や要所で声を出すなど、より遠くまで音が届き、かつ周囲の音を聞くことができるような対策が望ましい

・使用された熊スプレーは使用期限が切れ、使いかけの状態だった。結果的にヒグマが走り去るまで噴射し続けることができたが、熊スプレーを所持する際は、使用期限が切れていないことや残量が十分あることを定期的に確認する必要がある

・遭遇者は、現場はヒグマがいる環境であることを認識し、音を鳴らす、熊スプレーを所持するといった被害防止対策をとって入山し、うなり声が聞こえたような気がした時点で、ヒグマの姿を見る前から熊スプレーを使用できるよう準備していたことで、その後の突進にも対処できた。さらに、遭遇者はクマスプレーの使用経験があり、これがストッパーを外す動作の素早さやスプレーの圧力に動じることなく噴射し続けることにつながった可能性がある

【その他】

・事前の訓練と平時から適切な対策を実施しておくこと、ヒグマがいることを前提として迅速に判断し行動することが、被害防止に重要である∧北海道環境生活部ヒグマ対策室∨

(完)


ヒグマとの危険遭遇事案㊤

2025-04-22

社会

2024年度の1例目

道が公表
未然の対策怠らず

 道が公表する2024年度のヒグマとの危険遭遇事案発生状況1例目を紹介。

【発生日時】2024年4月25日午前10時30分頃

【発生場所】名寄市智恵文智東三線林道(比翼の滝に向かう林道)

【付近の状況】

・車両1台が通れる程度の幅の砂利道で、両側が草藪

・林道の片方が上り斜面、他方は川に続く下り斜面

・滝の音が大きく、周囲の音は聞こえづらい

【遭遇者情報】

・愛知県在住の50歳、男性

【ケガ等の被害】なし

【鳴り物等の携帯】熊鈴やラジオ、熊スプレーなどは携帯していなかった

【発生状況、遭遇者の行動】

・比翼の滝を目的地としてレンタカーで移動中、道を確認するため、林道の真ん中に車を停めて下車

・数秒後、草藪からヒグマ2頭が現れ、大きな方のヒグマが遭遇者にゆっくりと接近してきたため、逃げてくれることを期待し、声を出しながら頭部左側を蹴った

・ヒグマが逃走したため、予定どおり比翼の滝を見学し、その後、警察に通報した

【出没個体の特徴、行動形態】

・小さな方のヒグマは草藪から出たところに留まり、遭遇者を見ていた

・大きな方のヒグマはうなり声をあげながら、遭遇者の背後に回り込むように接近した

【痕跡】周辺における目撃及び痕跡情報なし

【逃避行動】

・大きな方のヒグマは、遭遇者の蹴りを受け、上り斜面に向かって走って逃げた

・小さな方のヒグマは、遭遇者が車に乗ると、上り斜面をまっすぐに駆け上がっていった

【住民への対応】当面の間、滝に至る林道への立ち入りを禁止

【考察】

<発生要因>

・2頭のヒグマは親子または兄弟であった可能性があり、親子の場合は子を守るため、兄弟の場合は興味本位の接近であったと考えられるほか、車両の接近あるいは人の出現に驚いて、自己防衛のために接近してきた可能性も考えられる

<対策>

・ヒグマの生息域に入る際は、周囲をよく観察してヒグマの存在を察知することや、クラクションを鳴らすなどして人の存在をヒグマに知らせるなど、ヒグマと遭遇しないための対策をとることが重要

・本事例においては、ヒグマは頭部を蹴られただけで逃走したが、反撃を受けて事故につながる危険性もあったため、より追い払い効果が強いと考えられる熊スプレーを携帯し、使用できるよう備えることが望ましい

【その他】

・一度追い払った後に再び近づいてくる危険性もあることから、ヒグマとの危険な遭遇があった際は、すぐに引き返し、速やかに警察等へ通報することが望ましい∧北海道環境生活部ヒグマ対策室∨


ヒグマ人身事故発生状況②

2025-04-15

社会

道が公表 2024年度の2例目

藪から飛び出し襲いかかる

 道が公表する2024年度ヒグマによる人身事故発生状況の2例目を紹介。

【発生日時】

2024年6月3日午後3時頃

【発生場所】

雨竜町恵岱別恵岱別川支流の沢

【付近状況】

・恵岱別川右岸斜面の森林とその上に位置する水田の境界にある斜面崩壊地

・植生はフキやオオイタドリ、ササで構成され、見通しは悪い

・斜面崩壊地の傾斜角度は60〜70度で、急こう配

【被害者情報】

岩見沢市在住、51歳男性

【被害状況】

左胸に爪による深い裂傷、背中にまばらな擦過傷

【鳴り物等の携帯】

・クマ鈴を携帯していたほか、調査班員が15分に1回程度、火薬銃を鳴らしていた

・熊スプレーと鉈(なた)を携帯していた

【被害者の行動】

・斜面崩壊地の調査のため、2〜3名の計2班に分かれて行動

・2名で行動していた被害者はもう1名の班員に20〜30㍍先行して調査を行っており互いの姿は見えなかった

・調査を終えて林外で休憩中に、およそ10㍍離れた場所の藪がガサガサと動き、もう1名の班員が来たと考えて声を掛けるも反応なし

・休憩を終えて移動しようとした際、ヒグマ1頭がうなり声を上げながら藪から飛び出してきたため、大きな声を上げ、背中を向け走って逃げたところ、携帯していた熊スプレー等を使う間もなく、押し倒されて負傷

【加害個体の行動形態】

藪から飛び出し、歯をむき出してうなり声を上げながら被害者へ突進し、押し倒して馬乗りになる

【痕跡】

被害者と別行動をしていた班員が子グマと思われる鳴き声を聞いている

【逃避行動】

襲撃後、すぐに被害者から離れて走って山を下りていった

【加害個体への対応】

・箱わなを設置

【住民への対応】

・注意看板を設置

・猟友会によるパトロールを実施

・防災無線により注意喚起

・学校及び各保護者へ注意喚起

【考察】

発生要因

・加害個体が被害者を押し倒した後すぐに被害者から離れて逃げたことから、食害目的による積極的な攻撃や好奇心からの接近・攻撃だったとは考えにくく、事故発生時に被害現場である崩壊地で子グマの鳴き声が確認されていることから、子グマを守るための母グマの防御的な襲撃であったと考えられる

・2班に分かれ、さらに被害者が先行して調査を行っていた結果、被害者と他の調査班員で親子グマを囲い込んでしまったことで、藪の近くに居た被害者が襲われた可能性がある

・加害個体の突進に対し、背を向けて走って逃げてしまった

【対策】

・見通しの悪い環境では単独行動しない

・クマと遭遇した時は、背を向けて走らない

・呼びかけに対して反応がなかった時点でヒグマの存在を想定し、熊スプレーを準備する

【その他】

・複数人が一緒に行動することで襲撃時にすぐ助けに入る、あるいは助けを呼ぶことができるほか、会話することで人の存在を早めに知らせることができる

・これまでに発生したクマによる人身事故では、致命傷になりやすい頭部を攻撃された例が多く、森林内で調査や作業をする際は、滑落時のケガ防止などと合わせてヘルメットの着用が推奨される


春、ヒグマに気を付けて!

2025-04-07

社会

4、5月は注意特別期間

山菜・キノコ採りでの遭遇率高く
道、遭わないルール守って

注意を呼び掛けるポスター == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
注意を呼び掛けるポスター

 道が指定する「春のヒグマ注意特別期間」が始まったばかりの3日、美唄市の男性がヒグマに襲われ、大けがを負う被害に遭った。ヒグマによる人身被害は道内で今年度初。道は周辺地域に「ヒグマ注意報」を発出し、注意を呼び掛けている。

 ヒグマの活動が始まる4、5月の2カ月間を道は「春のヒグマ注意特別期間」に指定し、山菜採りなどで山野に入る際には基本的ルールを守った上で、十分気をつけて行動を―と注意喚起している。

 ヒグマによる人身被害は特に春と秋に多い(表①)。冬眠明けのヒグマは餌を求め、より活発に活動するため、人間と遭遇する確率が高まる。

 道が調べた平成元年(1989年)から今年1月までのヒグマによる道内の人身被害状況(捕獲従事者を除く)によると、月別の被害は10月(死傷者計14人)に次いで4月(12人)、5月(10人)、6月(9人)と春の季節の発生が続いている。

 また被害に遭った人の行動で最も多かったのは「山菜・キノコ採り」で被害者合計33人(死亡14人、負傷19人)。全体の49%を占め、次ぐ山林作業13%、農作業9%、釣り5%に比べ圧倒的に多い(表②)。

 春(4~5月)に発生した近年の人身事故では2020年5月15日に後志管内古平町、21年4月10日に釧路管内厚岸町でいずれも山菜採りの人が死亡、23年5月14日には上川管内幌加内町で釣り人が被害に遭っている。

 道は出没状況により、ヒグマ注意報やヒグマ警報を発出する。

 環境生活部ヒグマ対策室は「被害に遭わないための基本的ルール」として

・事前にヒグマの出没情報を確認する

・単独行動を避け、複数で行動する

・鈴など音の出るものを鳴らす

・クマの足跡やフンを見つけたら、すぐに引き返す

 といったことを守って行動を―と呼び掛けている。 (寒)

表① == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
表①
表② == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
表②

ヒグマ注意報

2025-04-07

社会

今年は早くも4月3日に

道が昨年度6回発出

 ヒグマの市街地出没や人身被害が発生した際、道は「ヒグマ注意報」「ヒグマ警報」を発出。被害に遭った状況などを公表し、ヒグマによる事故を避けるため、基本的な行動ルールを周知している。

 4月3日、今年度初の「ヒグマ注意報」を美唄市周辺に発表した。

 2024年度の「ヒグマ注意報」発出状況は次の通り。

<ヒグマ注意報>

【5月5日~6月4日】浦河町、様似町(全域)

【6月3日~7月2日】雨竜町恵岱別牧岡地区

【6月17日~7月2日】新冠町の一部並びに新ひだか町静内駒場

【7月31日~8月30日】枝幸町

【7月26日~9月25日】釧路市駒牧、桜田、鶴丘、山花及びその周辺

【8月19日~9月18日】標茶町(塘路、茅沼、シラルトロ、阿歴内、沼ノ上)


ヒグマ人身事故発生状況①

2025-04-07

社会

2024年度の1例目

道が公表、考察も
走って接近し攻撃

 道は、ヒグマ人身事故発生時の対応方針に基づき、2019年度から事故の概要、発生要因その対策などを公表している。

 2024年度のヒグマによる人身事故発生状況の1例目を紹介。

【発生日時】

 2024年5月5日午後零時15分~1時頃

【発生場所】

 浦河町上杵臼メナシュンベツ川付近

【付近の状況】

・川の氾濫原の端に位置する樹林帯の中
・林床には膝丈程度のササが繁茂し、目線の高さの視界は良好
・本流からは距離があり、せせらぎの音は聞こえない

【被害者情報】

 様似町在住、81歳男性

【被害状況】

 頭部および胸部に咬傷、腋に爪による傷、首に気管に達する傷、前腕に深い傷

【鳴り物等の携帯】

・クマ鈴やラジオ等は携帯していなかったが、山菜採り中は手持ちの鎌で立木を叩いて音を出していたほか、声を出して歩いていた。山菜採りを終えて、車に戻る際には音を出していなかった
・熊スプレーは持っていなかった

【発生状況と被害者の行動】

・山菜を採り終え、車に戻る途中、20~30㍍先に加害個体を発見
・被害者の足元がふらついた際に加害個体が被害者に向かって走ってきたため、声を出して存在を知らせたが効果なく、逃げようとして転倒したところを襲われ、手持ちの鎌で反撃したものの効果がなかった

【加害個体の行動形態】

・被害者に気付き、走って接近し攻撃
・被害者が窪地にずり落ちたところで、元の場所に戻っていった

【痕跡】

 周辺で子グマと思われる足跡を確認(加害個体との関係性は不明)

【逃避行動】

 被害者を探していた家族の叫び声に反応し、立ち去った

【住民への対応】

・注意看板を設置
・ハンター及び警察によるパトロールを実施

【考察】

発生要因

・執拗に攻撃していないため、捕食目的の行動とは考えにくい
・被害者との突然の遭遇による防御的な攻撃、あるいは子グマを守るための攻撃だった可能性がある

【対策】

・野外活動中は、クマ鈴などで常に音を出して人の存在を知らせる
・滞在時間が短くとも、山林に入る際はクマ対策の装備を持参し、複数人で行動する

【その他】

 近年、農村地域では過疎化が進み人間活動が減少しており、過去にヒグマがいないとされていた場所であっても、現在はヒグマが生息している可能性がある。野外活動の際は、たとえ長年通っている場所であっても、事前にヒグマの生息・出没状況の情報収集が必要

<道・ヒグマ人身事故発生時の対応方針>


連載 ヒグマとの事故をなくすために②

2025-04-01

社会

山菜採りや渓流釣りは、より注意を

2009年6月、知床峠付近で撮影 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
2009年6月、知床峠付近で撮影

<人の活動での注意>

【出没地域に住む人】ヒグマを引き寄せる生ごみなどを屋外に置かないようにしましょう。出没情報がある時には、夜間や薄暗い時間帯の外出を避けましょう。犬の散歩は、吠え声でヒグマを興奮させる恐れがあり危険です

【登山】山はヒグマの生息地です。どこででも遭遇すると考えましょう。特に、早朝や日没頃の行動はヒグマと出遭う確率が高くなります

【山菜採り】山菜はヒグマの生息地に生えていることが多いため、単独行動を避け、音を出しながら行動しましょう

【キャンプ】ヒグマの痕跡のあるところでは、キャンプをしないようにしましょう

【渓流釣り】水流の音でヒグマも人もお互いに気づきにくくなっていますので、より注意を払いましょう

<人がヒグマを引きつける?>

 ヒグマは食べ物への執着が非常に強い動物です。生ごみ(コンポスト含む)や果物、干し魚などの人の食べ物の味を覚えてしまうと、それを目当てに家の近くに繰り返し接近し、人を恐れずに行動するようになります。ヒグマの出没地域に住む人や野山に出かける人は十分に注意し、危険を避けましょう


連載 ヒグマとの事故をなくすために ①

2025-03-28

社会

ヒグマの生態~3月中旬から活動開始

身体能力~聴覚、嗅覚に優れ、動作は機敏

道環境生活部発行パンフ == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
道環境生活部発行パンフ

 ヒグマとの事故をなくすためには、ヒグマの生態を知っておくことが大事だ。

<ヒグマの1年の活動>

【3月中旬】冬眠、出産をへて3月中旬に冬眠明けを迎え活動開始。事故が起きやすい

【5月中旬~7月】子グマの親離れと繁殖期

【8月~9月】事故多発期。山野のエサが少ないと農業被害を起こすことも

【10月~11月】冬眠準備

【12月~3月中旬】冬眠

<ヒグマの身体能力>

【聴覚】聴力に優れ、音に対しては敏感

【視覚】昼夜を問わず行動できる視力をもち、目は決して悪くはない。ただ、あまり遠距離の物はよく見えないらしい

【嗅覚】敏感で、埋めた残飯などもすぐに見つけ出します

【性格】群れを作らず単独や親子で行動。大半のヒグマは警戒心が強く、人を避けて生活しています

【運動能力】臨機の動作は非常に機敏。その気になれば、一撃で牛を倒すこともできます

※北海道環境生活部発行「あなたとヒグマの共存のための~ヒグマとのおつきあい」より


全道にヒグマ1万2200頭

2025-03-26

社会

人とのあつれき低減へ 道が管理計画を改正

2009年6月、知床峠付近で撮影 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
2009年6月、知床峠付近で撮影

 人とヒグマのあつれきの顕在化を踏まえ、道は人とヒグマの新たな関係構築をめざす北海道ヒグマ管理計画を昨年12月に改正した。20日、北見市民会館で開いた捕獲従事者向けヒグマ講習会でその内容の一部を報告した。

 それによると2022年末の全道のヒグマ個体数は約1万2200頭(中央値)と推定。1990年の5300頭(同)に比べ約2・3倍に増加した。また2014年時点の個体数1万500頭(同)を100としたときの22年の指数は116で「8年間に15%程度増加している」という。

 ヒグマによる農林業の全道被害額は2022年が2億7100万円で、被害が多いのはデントコーンが48%、ビート18%の順。

 捕獲頭数は22年度の940頭に対し、23年度は1804頭とほぼ倍増している。

 人身事故の発生件数は近年、年度ごとの増減が大きく、この5年間の全道の死亡・負傷者合計は20年度が3件3人、21年度が9件14人、22年度が3件4人、23年度が6件9人、24年度は1月28日までに3件3人となっている。

 このような実態から改正・管理計画では、被害対策の強化へ個体数管理を実施し、人とのすみ分けを図るゾーニング管理やモニタリングによる順応的管理を推進する。なかでも、あつれきを低減するための個体数調整には、ヒグマ捕獲従事者の育成と確保が欠かせないとしている。 (寒)


若手ハンター育成へ

2025-03-26

社会

道内5カ所で「ヒグマ講習会」

危ない場面もある!
ベテランの経験談聞く

 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==

 ヒグマの生息数に比べ捕獲従事者の数が足りないことから、道は比較的経験の浅い捕獲従事者(ハンター)向けの「ヒグマ講習会」を道内5カ所で開催した。このうち北見市民会館の会場には所属猟友会などから100人を超す若手ハンターらが参加。経験豊富な専門家から銃器で捕獲する際の心構えや現場での生々しいやりとり、熟練者のアドバイスなどを具体例で聞き、緊張感を新たにした。

 ヒグマ管理計画(2024年12月改定)に基づいて個体数を調整し、人とのあつれきを低減することなどを目的に企画。若手ハンターとヒグマに特化した講習会は珍しい。

 北海道環境生活部ヒグマ対策室が、全道のヒグマ個体数を2022年時点で約1万2200頭(中央値)と報告。めざす個体数7980頭に向け、今後10年間で1万3290頭の捕獲を想定していることなどを説明した。

 講習会の講師は、獣害対策の専門家で合同会社ワイルドライフプロの葛西真輔氏。斜里町在住で生態調査や被害対策の仕事をしており、これまで自分で捕獲したヒグマは15頭、立ち会った捕獲は200頭に及ぶと切り出し、「いろんな危ない場面にも遭遇した」と受講者の耳を引き寄せた。

 「100㍍ほど離れていてもこちらに向かって数秒で突進してくる個体もいれば、いなくなったと思ったら、いつの間にかすぐ横の草むらから現れた個体もいる」と例を上げ、「自分も一昨年、顔を叩かれる事故に遭った」と打ち明けた。その上で「数メートルに近づいたら、銃よりも熊スプレーのほうが有効だと思う」と助言した。

 ヒグマ捕獲に長年携わった熟練者の声から「捕獲に携わっているときは気を緩めず、全神経を集中させること」「恐怖心はよくない。冷静に対応できる度胸が必要」といったアドバイスを紹介し「1にも2にも…5にも安全が大事」とまとめた。

 参加した40歳代の男性は「ふだんエゾシカ猟には出るが、ヒグマの捕獲経験はない。万一出遭った際などすごく参考になった」と受講の感想を述べた。 (寒)


北見市若松でヒグマ目撃情報

2025-03-26

社会

ドライバーが通報

親子か? 大小足跡発見

 24日午後4時45分ころ、北見市若松の道道北見美幌線沿いでヒグマが目撃された。

 市農政課によると、目撃場所は若松市民スキー場に近い美幌トンネル北見側入口の手前。車で走行中のドライバーから通報があった。

 市と猟友会が現場を調べたところ、親子とみられる大きさの違う足跡が見つかった。市は付近に注意喚起の看板を設置するとともにホームページなどで注意を呼びかけている。


過去最大、一般会計142億円

2025-02-18

政治・社会

美幌町 2025年度予算案発表

 美幌町は13日、2025年度予算案を発表した。一般会計は142億961万円で24年度当初比10・5%の大幅増。エネルギーや物価高騰に伴い行政サービス、施設維持管理の経費が膨らみ、過去最大の規模になった。3つの特別会計、4つの企業会計を合わせた総額は同6・0%増の248億6754万円。平野浩司町長は「先送りできない、しっかりやらなくてはならないことを盛り込んだ」と説明した。

経費膨らみ昨年度当初比10・5%の大幅増
総額は6%増の248億円余に
埋立処分場造成や旭団地7号棟建設など
平野町長「やらなくてはならないこと盛り込んだ」
保育料の無償化対象拡充や施設、公園照明のLED化も

説明する平野町長 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
説明する平野町長

 比較的大きな事業では、3年計画の2年目になる第Ⅳ期埋立処分場造成工事に合計5億8872万円を計上。仲町団地の建て替えに伴い、入居者の仮住居として旭団地7号棟(30戸)を建設する。建設は25、26年度の2年間で、総額14億3904万円を投じる。図書館や体育施設、公園などこれまでLED化されていない施設の照明をLED化するため合計約4億円を盛り込んだ。

 子育て関係では、3歳以上と第3子以降だった保育料の無償化を、新たに0〜2歳の第2子にも拡充。子どもの発達のようすや、受けた支援を記録して情報を共有し、切れ目のない支援を目指す子育てサポートファイル「ハグミン」を新たに導入する。

 教育費では、31年度の開校を目指す義務教育学校の整備基本構想策定に1150万円を計上。美幌高校の魅力を発信するコーディネーターとして地域おこし協力隊員を採用する。中学校の部活動は、新たにサッカー部を地域クラブに移行する。

 外国人の介護職員を確保するため、雇用する事業所と、1年以上勤務した職員に助成金を交付する制度を新設。峠の湯びほろの入浴料は、新たに介助者も入浴料の半分を助成する。がん治療に伴う脱毛でウィッグなどを購入する費用として上限3万円を助成する。

 ヒグマの出没が相次いでいることを受け、ハンターの出動報償を一日9千円から1万2千円、駆除した時の交付金を1頭2〜3万円から5万円にそれぞれ増額。新たな狩猟免許取得者に上限5万円を補助する。

 空き家の除却に対する補助金は、補助率を2分の1から3分の2、上限を50万円から80万円に引き上げる。住民票などの証明書をコンビニで取得するシステム構築の委託料として800万円を計上。稼働開始は26年2月を予定している。 (浩)


エゾシカ・ヒグマの食害2割軽減目指す

2025-01-31

社会

鳥獣被害防止計画改定案

北見市が市議会に報告
被害額は高水準で推移
捕獲はエゾシカ1800頭ヒグマ15頭を計画

 北見市は24日、エゾシカなどの鳥獣対策を示す鳥獣被害防止計画の改定案(2025〜27年度)について、市議会産業経済常任委員会に報告した。

 市は3年ごとに同計画を見直している。対象鳥獣はエゾシカやヒグマ、カラス類、ハト類など。2023年度の農業被害はエゾシカが6500万円(72㌶)で、主に玉ねぎやじゃがいも、ビートなどが被害を受けた。近年は目標を超える頭数を捕獲しているが、農業被害は依然として高水準で推移している。

 市農林水産部によると、近年のエゾシカの捕獲頭数は19年度が1539頭、20年度が1904頭、21年度は2054頭、22年度は1972頭、23年度は2056頭と2千頭付近で推移している。

 ヒグマによる被害はデントコーンやビートなど500万円(9㌶)。被害の大部分を占めるデントコーンの食害は増加傾向を示している。

 カラスは緑肥や小麦など200万円(4㌶)で、このほかハト類やキツネなどの被害もある。

 同改定案では、エゾシカとヒグマは被害の軽減目標を23年度比で20%減、そのほかの鳥獣は10%減に設定。エゾシカの捕獲計画数は年間1800頭、ヒグマは15頭、カラス類は500羽、ハト類は400羽などと定めた。

 被害軽減の具体策として、新規担い手の確保や猟友会北見支部との協力連携、鳥獣被害対策実施隊員による捕獲活動の継続、電気柵の導入などを掲げている。        (柏)


動物と出合う〝瞬間〟に引き込まれ

2024-11-07

文化

動物写真家・前川 貴行さん

 動物写真家の前川貴行さんの講演会が2日、美幌博物館で開かれた。「動物写真家の仕事」をテーマに、撮影のエピソードなどを大いに語った。博物館では、前川さんが6月に美幌町内で写したヒグマなどの作品が展示されている。

美幌博物館で講演

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 前川さんは父親が美幌町出身で、美幌にゆかりがある。講演会では、ニシローランドゴリラやマルミミゾウを写したアフリカなど世界各地での撮影エピソードを紹介。「チャレンジしないで終わるのはいや」と練習を重ねて臨んだザトウクジラの水中撮影では、クジラの全身を写すため魚眼レンズを使ったところ、クジラに近づき過ぎて胸びれで叩かれたことを振り返った。

世界各地での撮影エピソード紹介

 「写真家の仕事」については「開発中のカメラで宣材写真を撮ることも重要な仕事」と紹介。動物写真家を目指したきっかけについて、町田善康学芸員の質問に答え「自然の中にいられるのがすばらしい。(動物写真家の故・)星野道夫さんの話に衝撃を受け、すごく背中を押されたことも大きいです。動物と出合う瞬間がエキサイティングでおもしろい。出合いに引き込まれました」と語った。

 AIの台頭については「幻のような写真があふれるかもしれないが、現場で向き合って撮るドキュメンタリーの部分はなくなることはないと思っています」と述べた。

町内で撮影した作品も展示

 前川さんの作品は、図書館、しゃきっとプラザなど町内の公共施設に展示されている。博物館では常設展示に加え、美幌町内で撮影した6点を追加。ヒグマをはじめ、美幌峠の絶景とともに写るハクセキレイ、エゾライチョウの幼鳥などが並んでいる。(浩)

美幌で撮影した作品も公開 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
美幌で撮影した作品も公開

やぶからヒグマ…認識変えよう

2024-11-05

社会

美幌で出没、身近な森林公園

 10月25日、美幌みどりの村森林公園でヒグマ1頭が目撃され、森林公園と周辺施設が一時、閉鎖された。人里離れた場所ではなく身近な森林公園に出没したことで、利用者も認識を新たにする必要がありそうだ。目撃した美幌博物館学芸員の女性(44)に当時の状況などを聞いた。

目撃者・女性に聞く
入林には対策を

ヒグマが目撃された場所 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
ヒグマが目撃された場所

 女性は25日午後3時ごろ、博物館裏手(西側)に入り口がある遊歩道「トリムコース」を170㍍ほど進んだ丘の上で、数㍍先の笹やぶにいるヒグマを目撃した。体長約150㌢で、比較的若い個体とみられる。約80㍍先にはあずまや、約320㍍先には「みどりの砦」があり、ウオーキングなどに利用されている身近な場所で、さらに先にはワーキングスペースKITENもある。

 女性は、木の実を探す学校授業の下見でコースを歩いていた。目撃の瞬間、恐怖で思わず背中を向けたが「ヒグマに背中を向けてはいけない」と思い、向き直した。ヒグマと目が合ったが、慎重に後ずさりすると、ヒグマもやぶの中に行き、姿が見えなくなったという。

 10年以上、日常的に業務で森林公園を歩いている。「やぶから『ガサガサ』と音が聞こえることは今回を含めて何度もありましたが、シカだったり、山菜とりの人だったり。クマはもちろん初めてです」。

 鈴やクマよけスプレーなどは、この日は装備していなかった。「博物館から近いので油断がありました。今後は森林公園だけでなく、人里の近さにかかわらず入林する時は必ず装備するようにしたい」と話している。

 町は森林公園と、トリムコースの入り口に注意を呼びかける看板を設置。出没を受けて設置したセンサーカメラなどで当面、監視を続ける。(浩)


ヒグマ目撃で施設閉鎖

2024-10-29

社会

美幌みどりの村森林公園

KITENや博物館など
29日から通常に

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 美幌みどりの村森林公園でヒグマが目撃されたとして、美幌町は25日から28日まで周辺施設を閉鎖した。29日、通常の利用に戻した。利用時は十分に注意するよう呼びかけている。

 閉鎖したのは森林公園、ワーキングスペースKITEN、美幌博物館。

 25日午後3時ごろ、森林公園「トリムコース」の坂を登った遊歩道で、美幌博物館学芸員が数㍍先の笹やぶにいる体長約1・5㍍のヒグマ1頭を目撃した。

 学芸員は木の実を探す学校授業の下見中だった。けがなどはなかった。

 26、27日はみどりの村でイベントが予定されていたが、主催者が会場を変更するなどの対応に追われた。(浩)


万が一に備えよう ヒグマが出たぞー!

2024-10-11

社会・教育

美幌で訓練

美幌署や猟友会美幌支部などが協力
避難から駆除までの流れ確認

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 美幌高校へのヒグマ出没を想定した訓練が9月27日、高校で行われた。万が一の事態に備え、生徒の避難、けが人の救急搬送、ヒグマの駆除までの流れを確認した。

 ヒグマが市街地に出没し、死傷者が出るケースが増えていることから、美幌警察署が中心になり、高校、美幌消防署、北海道猟友会美幌支部の協力で行った。

 全校生徒がグラウンドで活動している時に、警察署員扮するヒグマの親子2頭が出没する想定。生徒の避難をはじめ、襲われてけがをした教員の救助、猟友会メンバーが猟銃で駆除するまでを訓練した。

 大勢がいる場所にヒグマが出没した時は、かたまってゆっくり後ずさりしてその場を離れるのが良いとされているが、この日は生徒の集団が分断した。美幌警察署の地域・交通課長は「引き続き訓練を重ねることで練度を高めたい」と話した。(浩)


びっクマ!!

2024-09-20

社会

網走の男性が運転中に目撃

「牛くらいはあった」

男性のドライブレコーダー画像 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
男性のドライブレコーダー画像

 びっくりしましたよ―。網走市内の男性は先日、野上峠近くの国道を車で走行中、道路を横断するヒグマを目撃した。

 6月下旬、男性は仕事のために釧路市に向けてハンドルを握っていた。弟子屈町から野上峠(国道391号)を抜け、小清水町との境界あたりを過ぎたとき、道路脇から黒い物体が現れた。ヒグマだった。

 「大きなクマでした。牛くらいはありましたね」

 駆け足で道路を渡るヒグマの姿は、男性の車に装着したドライブレコーダーにしっかり収められていた。

 「まさか国道を横断するヒグマに遭遇するとは」。男性は目撃後、近くの商店を通じて役場に通報した。(大)

QRコードを読み込むと動画が見られます(9/24迄) == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
QRコードを読み込むと動画が見られます(9/24迄)

席巻!!ドラゴン旋風

2024-09-11

社会・行事

美幌で一日署長 北都プロレス参戦 

〝飛龍〟藤波 辰爾さん

 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==

昼は特殊詐欺防止など訴え

 伝説的プロレスラーの藤波辰爾さんが6日、美幌町を訪れた。美幌警察署一日署長として特殊詐欺防止などを呼びかけた後、夜は北都プロレスに参戦して観客を大いに盛り上げた。

 藤波さんは1971(昭和46)年にデビュー。新日本プロレスで長く活躍し、53年を経た現在も現役を続け、ファンを魅了し続けている。

 6日は美幌プロレス愛好会BWFの招きで来町。髙田良一署長が警察署で「得意のドラゴン殺法で世にはびこる悪をたたいていただきたい」と藤波さんに委嘱状を手渡した。

 美幌を訪れるのは数十年ぶりという藤波さんは「制服を着て身震いするような思い。何かのお役に立てれば」と話し、開催中の美幌ふるさと祭りのステージに立ち、寸劇も交えながら特殊詐欺やヒグマ被害への注意、道警が推進する「ハンドサインでとストップ運動」の励行などを来場者に呼びかけた。

夜はリングで躍動
BWF永澤代表「熱い声援に感無量」

 夜は、BWFが美幌神社秋季例大祭に合わせて境内で開いた北都プロレスによる「まちおこし奉納プロレス」に参戦。往年の得意技ドラゴン・スクリューや、ドラゴン・スリーパー・ホールド(飛龍裸絞め)を決めて勝利した。

 藤波さんの参戦もあり、会場は例年以上の観客が詰めかけた。「ドーラーゴンッ!」と藤波さんのニックネームを何度もコールしてレジェンドの戦いぶりをたたえていた。

 BWFの永澤寛樹代表は「こんなに多くのお客さまが来て、レスラーの皆さんに熱い声援を送っていただき感無量。今後も頑張って活動したい」と話した。(浩)

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ヒグマにご用心

2024-09-09

社会

9、10月は「注意特別期間」

情報確認、対策を

 北海道は9月1日~10月31日(61日間)を「秋のヒグマ注意特別期間」に設定し、ヒグマによる人身被害に注意を呼びかけている。

 道の調べによると、人身被害は春と秋に増加する傾向があり、山菜採りやキノコ採りに出掛けて被害に遭うケースが多い。キノコ採りが盛んな9月、10月はキノコはクマが冬眠を控えた時期で、えさを求めて活動が活発化するという。

 ヒグマに遭遇しないための対策として道は「事前に道のヒグマ出没情報などを確認する」「一人で山林に入らない」「音(鈴や笛、話し声)を出しながら歩く」「食べ残しや生ごみは必ず持ち帰る」などを推奨。

 万一遭遇した場合は落ち着いて行動し、クマを刺激せず静かにその場から立ち去るなどの対応を求めている。

 クマを目撃した場合は市町村役場または警察に連絡を。