同種目には13人が出場。予選は2組に分かれて行われ、上位各3人のほか、4位以下から記録順に4人が決勝に進む仕組み。久保選手は2組の7選手中4位で予選を突破した。
久保選手は町役場で「予選では1組目のレースを見て、タイムを把握することができた。2組目の全員が、1組目より良いタイムを出そうという雰囲気になった。決勝に行きたいという思いが強かったので、予選の方が緊張した」と振り返った。
翌日の決勝は「ずっと思い描いていたスタート地点に立てた安心感を感じ、持てる力を出し切り、良いレースができた。メダルを取るのに必要な駆け引きも感じることができ、次の世代を育てる上でもとても良い経験になった」と話した。
所属チームでは今季からコーチを兼任。来年にはパリパラリンピックがあるが、近年は負傷に苦しむことも多く「チャンスがあれば目指すが、今は目の前のレースをこなすので精いっぱい。コンディションが良ければ11月の大分車いすマラソンに出たい」と明言を避けた。
ただ、東京パラリンピックが無観客だったこともあり「大きな大会で走る姿を家族に見せられていない。来年5月に神戸で世界選手権があるので、見てもらいたいと思っている」と話した。
平野町長は「うれしいの一言に尽きる。努力に敬意を表し、感謝したい。まだまだ世界に挑戦していただきたい」とたたえた。(浩)