斉藤さんは知的障がいがあり、北海道北見支援学校高等部を卒業後、就労継続支援B型の障がい福祉サービスを展開する同事業所に通所している。
運営する株式会社Soluna(そるーな)代表で施設管理者の太田伸一さんによると、斉藤さんは毎日熱心に通い、約20人の通所者と一緒に木工作などに励んでいる。ふだん製作するのは木のおもちゃで動くものに興味があるようだが、競技会では木箱が製作課題。それでも太田さんが指導すると「すぅーと受け入れ、日々の成長を感じる」と評する。
木工で全道金賞
多機能型事業所に通い技能向上に努力
全道大会では材料と工具、図面が用意され、3時間以内に木箱を完成させる。鑿(のみ)、のこぎりなどを使った三枚組み継ぎの仕口(しくち)の出来栄えなどを審査。全国大会ではさらに、木箱のふたの製作も加わり制限時間は5時間。太田さんによると「面取り鉋(かんな)などを使う難しい技術が必要だが、斉藤さんは一生懸命取り組んでいる」という。同事業所での練習では4時間54分で完成させ「目標通り6分余った」と斉藤さんは笑顔。
「思えば作業学習が楽しかった」と振り返る。北見支援学校高等部の作業学習で木工班に所属した。同事業所に通い出してからは、太田さんと「厳しくも優しく」(斉藤さん)二人三脚で能力向上に取り組み「事業所に通うのが楽しい」と充実した日々を送る。全国大会について斉藤さんは「出るからにはメダルを狙いたい」としっかりと前を向く。(寒)
【アビリンピック】職業能力の向上を図るとともに、障がいへの理解と雇用の促進が高まることを目的として開催されている。身体、知的、精神などの15歳以上の障がい者手帳を持つ人が対象でワード・プロセッサ、喫茶サービス、ビルクリーニングなど8種目の競技がある。毎年各種目全道1位の選手が全国大会に推薦される。