■延命化方針
当初の計画では、最終処分場は2032年までの15年間使えるはずだった。しかし、生ごみの100%たい肥化を実現できなかったことなどから、市の最新調査では満杯まで「あと4年半」(昨年10月時点)とされている。
ごみ最終処分場、委託業務の範囲内?
市は昨年2月に延命化方針をまとめ、自走式二軸破砕機を導入することで埋め立て容積を年間924立方㍍縮減できるとした。
自走式二軸破砕機は、最終処分場に搬入された未破砕物に自走しながら近づくなどして砕く機能を持つ。
網走市は約7千万円で購入。同じタイプの二軸破砕機は美幌町でも導入されている(写真)。
■考えの違い
網走市が購入した二軸破砕機は昨年11月に納品。市は当初、市議会などには試験運転を経て2024(令和6)年度から本格稼働させると説明していた。
しかし、二軸破砕機は納品されてから1回も稼働していない(4月3日時点)。
なぜ、納品されてからの約4カ月間、二軸破砕機は稼働しなかったのだろうか? 最終処分場の延命は喫緊の課題ではなかったのか?
本紙は、二軸破砕機が稼働しない理由について、市側と委託業者をそれぞれ取材。取材を通じて見えてきたのは、市と業者の委託業務内容についての捉え方の違いだった。
市は二軸破砕機の業務(令和5年度時)について、最終処分場の管理を委託する地元業者に頼む考えだった。ただ、試験運転業務は、年度当初に業者と交わした委託業務の契約には含んでいないため、委託料は支払わない方針だった。
一方、業者側は、試験運転は契約に含まれていない新たな業務だとして、市に委託料の支払いを求めていた。
─・─・─・─・─
次回は、委託業務についての「市の考え」「業者の考え」の詳細などをお伝えする。