今年度から市外業者が受託、本格稼働へ
■役所の考え
自走式二軸破砕機は、最終処分場に搬入された未破砕物に自走しながら近づくなどして砕く機能を持つ。網走市には昨年11月に納品された。
市は2023(令和5)年度において、二軸破砕機の試験運転を含めた業務については、最終処分場の埋め立て業務の委託業者に担ってもらうつもりだった。
試験運転は週1、2回を想定し、作業員は埋め立て処分場で働いている人材としていた。市によると、この構想については、現場レベルでは合意していた。
しかし、当時の委託業者の経営陣からは、二軸破砕機による新たな業務の委託料を求められ、話し合いは不調に。その後、具体的な交渉はなかったようで、二軸破砕機は4カ月ほどにわたり稼働しない(できない)状況が続いていた。
■業者の考え
当時の委託業者は本紙取材に対し、「二軸破砕機による業務は、市との委託契約に含まれていないので、新たな委託料を求めた」とする。
業者は以前、網走市で購入した同じタイプの二軸破砕機を稼働させている美幌町を視察している。「メーカー担当者から『機材を傷めるため冬期の使用は控えるべき』とのアドバイスを受けていた。万が一、冬期の試験運転中に機材を壊してしまうリスクも想定すると、すんなり引き受けるわけにはいかなった」とする。
役所との〝良好な関係〟とは
当時の委託業者によると、経営陣と市役所との話し合いは昨年11月の1回のみ。結果的に二軸破砕機は試験運転もできないまま、新年度を迎えてしまった。
ただ、最終処分場の埋め立て業務は、24年度分から入札制度が一般競争に変更されたことで、市外の業者が受託。市によると、契約内容には二軸破砕機の業務委託料も加えており、今年度からは本格稼働する見込みだ。