網走の水谷市長…〝選挙イヤー〟は投票前に開催
■2回開催
政治資金パーティーは、パーティー券を企業などに購入してもらい、その収益を政治活動に充てることが最大の目的とされる。本紙取材によると、北見市の辻直孝市長(3期目)、紋別市の宮川良一市長(5期目)の両氏は、初当選以降、政治資金パーティーを開催したことはない。
前網走市長の大場脩氏(平成10年~同22年の3期)の元後援会メンバーによると、大場氏の政治資金パーティー(ビールパーティー)は任期中に2回開催。収益は「一般市民が参加できる講演会の開催費用に充てました」。パーティー収入の〝市民還元〟は、大場氏の指示だったという。
■選挙イヤー
道選管のサイトで公表される、「水谷洋一後援会」の令和4年分の政治資金収支報告書によると、同年5月28日に「水谷洋一 市政セミナー」を開催し、パー券収入は120万円だった。
同後援会関係者によると、「ビールパーティーとは異なる『市政セミナー』は令和3年にも開催している。パー券はたしか5千円で、外部講師を招いて講演してもらった。参加者にはカレーライスとコーヒーを提供したと記憶している」
同後援会の収支報告書によると、令和4年分の支出合計は179万351円。このうちの約半分が「宣伝事業費」(ポスターなど)の85万4562円となっている。
元後援会幹部は「水谷市長の政治資金パーティー(ビールパーティー)は基本的に秋に開催することになっているが、市長選がある年は選挙前の春か夏に開催し、活動費を増やすことにしていた」と話す。前回の網走市長選は令和4年11月6日に行われている。
ちなみに、令和3年の「水谷洋一市政セミナー」は12月、昨年の「水谷洋一と語らう ビールパーティー」は10月に開催されている。
前市長は収益で講演会開催、「市民に還元を」
■なんで?
管内にあるA町の町長後援会幹部は「政治資金パーティーを開こうなんて考えたことはない。町長の選挙活動資金は基本的に町長の給料・資産でまかなっている」とし、網走市の実情に驚いていた。
水谷市長の政治団体(水谷洋一後援会、すいよう会)の会計処理に詳しい元幹部は「水谷氏が網走市長に初当選してから開催されているパーティーは、政治資金規制法に準じているのでまったく問題はない」とする。パーティーを開催する目的については「水谷氏の政治活動資金を確保するため。水谷氏は『自分の給料(市長報酬)』を政治活動に充てる考えはあまりないと思っている」と話していた。