2022年はセミナー開き120万円
■公開
政治資金パーティーは、パーティー券を企業などに購入してもらい、その収益を政治活動に充てることが最大の目的とされる。政治献金とは異なり、「安価なパー券を通じて広くお金を集めることができることが魅力」(管内の政治団体元関係者)。
今月7日の東京都知事選。告示(6月20日)前の記者会見で、政治資金パーティーについて尋ねられた現職の小池百合子氏は継続して開催する意向を示した。一方で、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏と前参議院議員の蓮舫氏は「開催しない」との姿勢を明確にしていた。
政治団体による、政治資金収支報告書の提出は、政治資金の流れを国民に明らかにするために義務付けられている。同収支報告書は、提出した内容がそのまま閲覧・公表される。
北見市、網走市、紋別市長の3氏の関係団体が提出した政治資金収支報告書はネット上でも公表されている(※公表日から過去3年のみ)。道選管のサイトから検索すれば簡単に閲覧できるようになっている。
北見、紋別は初当選から開催実績なし
■収入120万円
現在、道選管のサイトでは令和4年までの3年間の政治資金収支報告書が閲覧できる(※道選管によると、令和5年分は今年11月に公開)。
ネットでも公表される、令和4年分の管内3市首長の政治資金収支報告書によると、北見市の辻直孝市長(3期目)の政治団体「つじ直孝後援会」の収入総額は1千円、紋別市の宮川良一市長(5期目)の政治団体「宮川良一後援会」の収入はゼロ円だった。つまり、2氏とも政治資金パーティーは開催していないわけだ。
本紙は辻市長、宮川市長に近しい人物に確認を取ったところ、両氏ともに「初当選から現在(今年7月3日)まで政治資金パーティーを開催したことは一度もない」との回答だった。
一方、網走市の水谷市長は、初当選(平成22年11月)以降、ほぼ毎年、政治資金パーティーを開催している。同氏の後援会メンバーによると、「開催しなかったのはコロナ禍の令和2年だけだと記憶している」。昨年は10月に「水谷洋一と語らうビールパーティー」を開き、「1枚1千円のパー券を1500枚ほど売ったと記憶している」(後援会メンバー)。
水谷洋一市長の政治団体「水谷洋一後援会」提出の収支報告書によると、令和4年の収入額は「水谷洋一 市政セミナー」(同年5月28日開催)の120万円。北見市長、紋別市長と比べ、収入額は突出していることがわかった。
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次回は、前網走市長が任期中に2回開催した政治資金パーティー収入の使い道や、水谷市長が政治資金パーティーを開催する理由を元後援会幹部らの証言を基に紹介する。