■検証
市の〝雪捨て場制度〟は、少子高齢社会の到来に伴った除雪問題の解決策の一つ。近年、市街地で顕著になった「雪捨て場の確保」に加え、除雪車が玄関前などに置いていった〝残雪問題〟の対応策として位置付けている。
市は昨冬、市街地の公園6カ所をモデルにし、関係する6つの町内会の協力を得て実証実験に着手した。
実証実験の検証により浮上した課題は、①地域住民に雪置き場所が知られていなかった②遊具の破損③土地の形状を考慮した重機の使用―だった。
浮上した課題の対策として、②については「遊具周辺、公園との境界、雪置きエリアへのスノーポール設置が必要」とした。③については「重機使用の際はブルーシートなどによる対策を行う」とし、検討を進めている。
市街地の町内会対象にアンケート実施
広報などで民有地提供も募り
■アンケート
市は〝雪置き場制度〟の本格導入に向け、市街地にある164町内会を対象にアンケート調査を実施。アンケート用紙は9月に送付し、「地域にある公園等を雪置き場として利用するか」「地域内で雪置き場として利用したい空地はあるか」との質問を用意した。
市は、各町内会長に送付したアンケート用紙と一緒に、〝雪捨て場制度〟の詳細についての説明書を同封。雪置きルールの一つとして「公園施設の損傷及び破損については、利用者の責任により現状回復して下さい」との文言を盛り込んだ。
このルールについて、市内のA町内会役員は「雪置き場を利用した市民が公園遊具を壊した場合、復旧にかかる費用を弁済しなくてはいけないというのは厳しいのでは」との見解だ。
こうした市民の考えに対し、市は「『市民の財産である公園遊具は慎重に扱う』という意識づけの意味も含まれています」との考えを示していた。
市は現在、広報誌などを通じて、雪置き場として利用する民有地の無償提供を呼びかけている。申し出てくれる市民は「いまのところゼロ」(市の担当者)だが、今後も継続して募る考えだ。