連載 公園を〝雪置き場〟に ㊤

2024-10-03 掲載

(網走市/社会)

~網走市の試み~

 少子高齢社会の到来に伴った除雪問題に対応するため、網走市は市街地の公園などを〝雪置き場〟とする試みに着手した。昨冬はモデル地区を選定し、実際に住民に利用してもらった上で課題点を探った。今冬は町内会アンケートなどを踏まえ、〝雪置き場制度〟を本格的に進めたい考えだ。(大)

スペース活用で負担軽減へ
高齢社会の除雪課題に対応

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■目的

 同制度は、市街地の公園や公園建設予定地、民有地を市民の一時的な雪置き場と捉えた試みだ。

 市街地にある住宅の除雪課題の一つに、「雪捨て場の確保」がある。加えて、除雪車が玄関前などに置いていった〝残雪問題〟も浮上している。

 近年は、温暖化の影響などにより湿った雪が降る機会が増え、除雪車が置いていった残雪は重く、硬いため、高齢者らにとっては自力での処理が大きな負担となっている。

 市は、こうした課題に対応するため、新たな試みをスタートさせた。

 市はこれまで、市街地の公園への雪捨ては基本的に認めていなかった。遊具への損傷などを懸念しての措置だったが、市の従来の除排雪ルールでは、自力での除雪が困難になった市民らのニーズに対応しきれなくなった。

モデル地区で試験運用

■モデル

 市は昨冬、市街地の公園6カ所をモデルに雪捨て場の実証実験に着手。雪置き場とした公園に関係する6つの町内会に協力してもらい、融雪水や遊具の損傷具合などについて検証した。

 6つのモデル公園に雪を入れる方法はすべて「ママさんダンプ、手押し除雪機」とした。ただ、1カ所だけ「小型除雪車も可能」とした。

 モデル公園を6カ所にした理由は、「名乗りを上げてくれた町内会が6つの町内会だったため」(市の担当者)だ。

 市は今春、雪解けに合わせて、6つのモデル公園を〝現場検証〟した。そして、いくつかの課題が浮上した。

 ─・─・─・─

 次回は、モデル公園の検証結果、町内会を対象にしたアンケートなどについて紹介する。

キーワード

  • 雪置き場

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