■目的
同制度は、市街地の公園や公園建設予定地、民有地を市民の一時的な雪置き場と捉えた試みだ。
市街地にある住宅の除雪課題の一つに、「雪捨て場の確保」がある。加えて、除雪車が玄関前などに置いていった〝残雪問題〟も浮上している。
近年は、温暖化の影響などにより湿った雪が降る機会が増え、除雪車が置いていった残雪は重く、硬いため、高齢者らにとっては自力での処理が大きな負担となっている。
市は、こうした課題に対応するため、新たな試みをスタートさせた。
市はこれまで、市街地の公園への雪捨ては基本的に認めていなかった。遊具への損傷などを懸念しての措置だったが、市の従来の除排雪ルールでは、自力での除雪が困難になった市民らのニーズに対応しきれなくなった。
モデル地区で試験運用
■モデル
市は昨冬、市街地の公園6カ所をモデルに雪捨て場の実証実験に着手。雪置き場とした公園に関係する6つの町内会に協力してもらい、融雪水や遊具の損傷具合などについて検証した。
6つのモデル公園に雪を入れる方法はすべて「ママさんダンプ、手押し除雪機」とした。ただ、1カ所だけ「小型除雪車も可能」とした。
モデル公園を6カ所にした理由は、「名乗りを上げてくれた町内会が6つの町内会だったため」(市の担当者)だ。
市は今春、雪解けに合わせて、6つのモデル公園を〝現場検証〟した。そして、いくつかの課題が浮上した。
─・─・─・─
次回は、モデル公園の検証結果、町内会を対象にしたアンケートなどについて紹介する。