ユウガオいただき
●デカっ!! 何コレっ!!
ある日、記者はお世話になっている年配ご夫妻の家に行くと、玄関先に薄い緑色をしたヒョウタンみたいな植物がゴロゴロとあった。そのデカさに驚き、「何、これっ!!」と声が出た。
それはヒョウタンではなく、ユウガオであった(※調べると同じウリ科で同一の植物であることがわかった)。年配のご夫妻は毎年、ユウガオからカンピョウを作っているのだという。記者は「へっ? カンピョウができるの?」と驚いた。
記者は50代後半である。記憶をたどると、小学生のころに祖母が自宅の土間でユウガオを剥いている姿をうっすらと覚えているが、カンピョウを作っているとは知らなかった。
うすく剥くのがムズカシイ!!
●ムムム…難しい
今回、カンピョウとなるユウガオは、市内で果樹園を営んでいるご夫婦からいただけることになった。記者はユウガオが実際にどのように育っているのか知りたく、果樹園に出向いた。
「これがユウガオですよ」。果樹園の奥様が指さす先には、ユウガオが転がるように実っていた。
地面を這うつるにゴロゴロとなるユウガオ。記者は「へえ、こんな感じで実るんだぁ」と感激した。
いただいたユウガオを果樹園から運び、いざカンピョウ作り!! お世話になっているご夫婦のアドバイスを念頭に、記者を含めた4人グループでカンピョウ剥きに挑戦した。
まずは、ユウガオを幅2㌢ほどにぶつ切り。外皮はリンゴの皮を剥くように包丁でサクサクと。そして、実を薄く、薄く剥いていった。
普段、包丁を使うことはめったにない記者は、なかなか薄く剥くことができず。試行錯誤の末、包丁を真横にして実に突き立て、ギコギコとスライドさせて剥く方法が自分に合っていることに気付いた。
室内外で計4日間干し、からっからに
●仕上げ
薄く剥いたユウガオをからっからに乾燥させれば完成だ。
記者は剥いたユウガオを園芸用の長い棒で干すことに。室内で2日間、そして天日干しの2日間を経て、からっからに乾燥させた。
「初めてにしては上出来」と自画自賛。完成したカンピョウは今後、太巻きやカンピョウ巻にして食するつもりだ。
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調べてみると、市販されるカンピョウの価格は安くはないことがわかった。大手ネット通販では、栃木県産の乾燥カンピョウが500㌘で300円前後で売られていた(9/30時点)。
関係サイトによると、国内で流通するカンピョウの一部は中国で栽培される。中国での天候不良などに伴って原料不足が生じれば、国内で流通する中国産カンピョウ(加工品含む)の価格は高騰する可能性もある。
今回のカンピョウ作り体験は、日本の古き良き文化の継承やわが国の食料自給率などについても考えさせられた。