オホーツク勤労者医療協会とオホーツク勤労者医療協会労働組合は11月28日、訪問介護基本報酬引き下げ撤回などを要請する意見書採択を求め、北見市議会に陳情書を提出した。
2024年度の介護報酬改定で4月から、訪問介護の基本報酬が引き下げられた。陳情書では「基本報酬の引き下げにより、経営悪化による閉鎖・倒産する事業所が相次いでいます」「介護従事者の低賃金と厳しい労働環境の改善が緊急に求められています」と現状を指摘。議会として意見書を採択し、国へ提出するよう求めている。
意見書への要望事項は「訪問介護基本報酬引き下げを撤回し、介護報酬の再改定を行うこと」「社会保障費を大幅に増額し、介護報酬の大幅な引き上げ、介護保険料・利用料の引き下げなど介護保険制度の抜本的な見直しを行うこと」「介護従事者の賃金引き上げ・処遇改善を行うこと」など6項目。
この日は、勤医協介護部長の鈴木英紀さん、同労組の中山優輔書記長、ヘルパーステーションたんぽぽの久保田昌美所長が市議会を訪れ、飯田修司議長に陳情書を手渡した。
中山書記長らは「人材募集をしても反応がなく、このままでは地域の訪問介護事業所がなくなってしまう。介護崩壊はすぐそこに迫っている」と訴えた。
飯田議長は「介護業界は人材不足や基本報酬など課題が大きいことは認識している。陳情書の取り扱いは、議会のルールに則り対応していきたい」と述べた。
・・・・・・・・・
同協会と同労組は、札幌の市民団体が介護事業所を対象に実施したアンケート調査結果も合わせて提出。それによると「訪問介護基本報酬の引き下げの影響」(526施設が回答)は67%が「ある」と回答。「今後の経営の見通し」(546施設が回答)は「悪くなる」が43%、「事業所の閉鎖・休止を検討している」(397施設が回答)は20%に上った。(柏)