北見市は、上仁頃美里地区の美里洞窟の一般公開を2025年度から中止する。洞窟に至る林道の安全確保が難しいことなどが理由で、18日に開かれた市議会総務教育常任委員会に報告した。
同洞窟は道内で最初に確認された鍾乳洞遺跡。1960(昭和35)~61年に発掘作業が行われ、縄文時代やアイヌ文化期の土器や石槍などが出土した。上仁頃美里郷土研究会が管理を行い、毎年7~10月に公開している。
市の説明によると、洞窟へ続く約5㌔の林道は道幅が狭く、落石や倒木が散見されるほか、途中にある木橋の腐食も進行。また、洞窟内急勾配ルートの一部にロープ手すりが設置されていないなど公開する施設としては安全対策が不十分という。市は「安全確保策にかかる費用の捻出が困難」として、公開の継続を断念した。
今後は市が洞窟の保全を行っていく。 (柏)