北方領土の元島民とその後継者らで組織する、千島歯舞諸島居住者連盟オホーツク支部の通常総会が20日、北見市民会館で開かれた。旧ソ連が不法占拠し80年になる中、元島民の権利保全へ郷土・北方四島の返還要求運動を他機関と連携し繰り広げていくことなど今年度の事業計画を決めた。
出席した来賓が祝辞を述べ、同連盟の松本侑三理事長は「何とか前進を」、川原田英世衆院議員、鈴木一磨道議らが「活動費を予算に反映させていく」と取り組みを支持した。
昨年度は各地の行事に合わせて署名活動やパネル展を年間15件実施し、セミナーや研修会に年間10回派遣した。支部単独では島民二世(後継者)による語り部派遣事業を7回行い、北方領土洋上セミナーに12人参加した。
北方墓参に代わり行われている洋上慰霊に支部から年間計7回24人が参加。国後南・北コース、歯舞コースなど「少しでも近くでと船の上から慰霊している」と報告された。
役員改選で選任された渡邊彰新・支部長は「墓参の早期再開をあらゆる方面に向け訴えていく。私達の持っている記憶を記録として残すことも必要で、チシマザクラの植樹を今年も行いたい」などと挨拶した。
新体制は次の通り(敬称略)。 (寒)
▽支部長=渡邊彰
▽副支部長=菅原巌、大崎紀子
▽幹事=北村浩一