北見地方で稲刈りが終盤を迎えている。水稲(すいとう)の中でも主食用のうるち米を栽培する北見市端野の農家を訪ねると、実の甘味が増すように登熟(とうじゅく)期間を十分に取っているため、この時期の収穫作業になるそう。気になる令和7年産米の出来と味をたずねてみると―。
市端野町二区の村中満さん方は、合わせて約23㌶作付け。もち米のほか最近は生産者が数少なくなったうるち米も栽培している。
今年は6、7月に猛暑に見舞われたが「かんがい用水が潤沢に供給されていて、豊富な水により高温障害を受けることもなく順調に育った」そう。父親の淳さんは「大雪山を源にこんこんと流れて来るおいしい水のおかげです」と感謝する。
平年に比べ生育が10日以上早く進んだもち米の稲刈りは8月末から始まった。一方、うるち米はさらにじっくりと熟すのを待ち、9月下旬から収穫開始。直前に強風が吹いたが、丹精して苗から丈夫に育てた稲は倒伏(とうふく)することもなく、たわわに稲穂を垂れた。
村中さん方のうるち米の品種は「ななつぼし」。直前に手刈りして試食してみたところ「おいしかった」と満面の笑み。この表情が今年の出来を物語っている。地産地消に取り組み、10月上旬から店頭に並ぶ予定だ。 (寒)