北見市広明町の藤井豊さん(90)が自宅前の植樹ますに植栽したコキアが紅葉を始めた。「市内には草ぼうぼうの植樹ますもあり残念です」と藤井さん。青々とした緑色がここにきてオレンジや赤へと変化し、ひ孫さんらを喜ばせている。
市の財政健全化で町内会や高齢者クラブへの花の苗の補助が削減されると思い込んだ藤井さん。「それならば自分で」と、自宅前の常盤通の植樹ますにコキアやマリーゴールドの苗を植えた。
コキアの苗は、自宅庭で昨秋、片付けた際に落ちた種から今春芽が出てきたもの。小さな苗を春、自宅前の常盤通の3ヵ所の植樹ますに植えた。干ばつ時にはせっせと水やりを欠かさずに世話すると、大きく成長した。
市の財政難で、街角から彩りが消えるのを憂いている。小さかった苗がぐんぐんと成長し、今では80㌢ほどに。丸くて色が変わる植物に、ひ孫さんも興味津々で世話のしがいを感じている。日々の手入れは苦にならない。
秋深まる今の季節も同通りで道行く市民の目を楽しませている。「市民として自分ででききることを」と来年も地域の美化活動に取り組むつもりだ。 (寒)

