北見市の姉妹都市・宮城県丸森町の「猫神」にちなんだ通称「猫神社」が、市内上ところ地区の2カ所に建立された。丸森町とさらに絆を深めることなどが目的で、設置した上常呂神社役員は「猫好きな人などに来てもらえたら」と話している。
かつて養蚕が盛んだった丸森町は、ねずみから蚕や繭(まゆ)を守るため、数多くの農家で猫を飼っていたという。繭の豊穣を願う「猫神」として、また大切な猫を弔う供養碑として、猫の姿を線刻、浮き彫りにした石碑が町内に約80基残されており、最近では「猫神祭」も行われている。
昨年丸森町を訪問し、「猫神」を知った上常呂神社の役員が、姉妹都市交流が長く続くことなどを祈念し、北見でも「猫神」を祀ろうと計画。近所の飼い猫がいつもくつろぎ、すでに一部で〝猫神社〟とも呼ばれていた上常呂神社の境内に「かみところさくら神社」、金刀比羅神社に「ことひらさくら神社」を今年4月から順次整備し、「猫神」を祀った。
「ことひらさくら神社」は、上ところ桜まつりに合わせ、通路などを手作りで整備。カシワの木のウロを社殿に見立たて、鳥居も設置したほか、保護猫活動についてのリーフレットも置いた。
先日、丸森町議会議員の視察団が金刀比羅神社とともに「ことひらさくら神社」も訪問。さっそく友好にひと役かった。
今後は、老朽化により取り外した金刀比羅神社の石段の石(軟石)を使い、丸森町のように猫の石碑制作も検討している。