北見地区防火推進協議会主催の防災管理研修会が26日、北見市端野町公民館で開かれた。京都市消防局予防課長の足立貴志氏が、2019年の京都アニメーション放火火災の概要や同火災の分析・検証をもとに作成した「火災から命を守る避難の指針」について紹介した。
同火災は、京都市伏見区の第1スタジオ(3階建)の1階に犯人が侵入。ガソリンをまいて火をつけ36人が死亡、33人が重軽傷を負う大惨事となった。
足立氏によると、建物は消防法令上の不備はなかったものの、多くのスタッフが逃げ遅れて命を落とした。「尋常ではない煙の量で、一気に燃え広がり建物内に煙が充満した。放火から1、2分で避難を完了させないと命が助からない状況だった」と説明。
同消防局は、窓やベランダから逃げて一命を取りとめた生存者の避難行動をもとに、火災から命を守る避難の指針を作成。同指針では、上方に溜まってから下りてくる煙の特性に応じた避難行動や煙の外部排出方法、建物からの脱出や衣服に着火した場合の対処方法などを詳しく解説している。(柏)