京アニ火災は京都市伏見区の京アニ第1スタジオ(3階建)の1階に犯人が侵入。ガソリンをまいて火をつけ、36人が死亡、33人が重軽傷を負う大惨事となった。
一気に火が燃え広がり、建物内に煙が充満したため、多くのスタッフが逃げ遅れて命を落とした。放火から1~2分で避難しなければ命が助からない状況だったという。
同消防局は窓やベランダから逃げて一命を取りとめた生存者の証言や避難行動を分析・検証して避難の指針を制作した。
指針では、主に2階以上にいる場合を想定し、火災の状況をレベル1~レベル3の3段階に区分。レベルに応じた避難行動を示している。
【レベル1】
(階段に煙がなく使用可能な状況)
階段を利用して地上、地下へ避難。多くの火災は、このレベルで通常の避難訓練もこのレベル。
【レベル2】
(煙により階段が使用できない状況)
窓やベランダから避難器具で避難。窓やベランダなど外気にふれる場所に避難。一次避難スペースへの避難。
【レベル3】
(階段及びフロア全体に煙が流入している状況)
レベル2と同様に窓やベランダからの避難、一時避難スペースへの避難。窓やベランダからのぶら下がり避難。
レベル2、3の「ぶらさがり避難」と「一時避難場所への避難」の避難方法は次のような内容。
【ぶらさがり避難】
(2階の場合のみ)
階段で逃げられず、2階の窓やベランダから避難器具を使わずに避難する場合、手すりや窓枠にぶら下がり、足を伸ばしてから手を離す。そのまま飛び降りるよりも地上までの距離が近くなり、負傷リスクを減らすことができる。着地面がコンクリートだったり、植栽などがある場合はクッションなど緩衝材になるものを事前に投下する。
一時避難スペースで救助を待つ、2階なら「ぶらさがり避難」も
【一時避難スペースへの避難】
一時避難スペースとは、扉などで区画され、一時的に煙や炎の侵入を防ぐことができ、外気に面した窓がある部屋。煙を防ぐためにテープやティッシュペーパーなどで目張りを行う。そのため火災発生時に一次避難スペースとなる場所を想定し、必要な器材を揃えておくとよい。