■物議を醸す
中国が輸入を全面停止したのは今年8月末。北海道産ホタテは大打撃を受け、政府は国内消費を呼びかけるなどの対策を講じたほか、道内産地の一つ網走市も地場産ホタテの消費喚起策として、市民を対象にした冷凍ホタテ貝柱の即売会を企画した。
即売会で用意したホタテ貝柱は、1㌔パックを2千パック。市民に配布したチラシには、「3Sサイズ/40~50玉入り」と記されていた。
この「3Sサイズ」という記述が、ちょっとした物議を醸すことなった。
■小さいの、大きいの?
服のサイズを基準に考えると、「3S」はかなり小さいと感じてしまうのが一般的だ。今回の即売会チラシを見た男性市民は「すごく小さい貝柱なんだね」と思い込み、「小さい貝柱で1㌔2千円はたいして安くない」と考え、「即売会に申し込むのはやめよう」となったようだ。
別の市民は本紙に対して、「3Sは稚貝よりちょっと大きなサイズだと思う。市民を馬鹿にしている」と〝怒りモード〟で話していた。
しかし、取材してみると「3Sサイズ」は小さくはなく、業界の既定サイズにおいては「中間あたりのサイズ」(市役所担当者)だった。
チラシに記された「3S」との表記は、「水産業の業界用語で、服のS、M、Lとはまったく違う」(市内関係者)というのだ。
業界のホタテ貝柱サイズは、最も大きいのが「2L」、最も小さいのが「7S」となっている。
即売会で提供された3Sサイズの貝柱の大きさについて、市内関係者は「回転すし店で見るホタテサイズと言えばわかりやすいですかね」と説明する。
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次回は、即売会の抽選方法や網走産ホタテの出荷先などを紹介する。