■4・5倍
販売会では2千パック(1パック1㌔)を用意。申し込み数はハガキ1303人、ネット3819人だった。1人2パックまで申し込めるため、申し込み総数は9392パックとなり、当選倍率は4・5倍だった。
抽選方法について、市水産漁港課を取材した。
抽選は、「ハガキ」「ネット」での申し込み者を一緒にし、パソコンソフトのエクセルに申し込み者すべての氏名を入力したあと、エクセルの抽選機能を利用して当選者を決めたという。
はがきで当選の知らせを受けた市民は、11月18日と19日に市役所で現物を受け取った。
中国の措置、「少なからず影響ある」
■市内水産加工会社が提供
即売会で用意した冷凍ホタテの貝柱2千パックは、市内の大手加工業者が協力して提供した。
網走市のホタテの年間水揚げ量は1万5千~1万8千㌧で推移。主な出荷先は、欧州と米国、中国、国内となっている。
今回の中国の措置を受け、網走以外の道内のいくつかの主産地では輸出できなくなったホタテを保管する冷凍庫が足りなくなるような事態が起きている。網走市においては、「ほかの主産地のような危機的状況ではないが、影響はある」(市の担当職員)
■売り込み
市は、網走産ホタテの消費拡大を図るため、今回の即売会以外に東京の飲食店でのPRを試みた。
以前から網走市と交流があり、首都圏や海外でレストランを展開する株式会社「ラムラ」は約1・5㌧の網走産ホタテを市内の大手加工会社から購入し、都内の飲食店で提供した。
11月4日、公務で上京していた水谷洋一市長は、ラムラが都内で運営する飲食店に出向き、店内の客に直接、網走ブランドのホタテの積極消費を呼びかけた。
市は、今回の即売会と首都圏の飲食店でのPRなどを含めた事業費約1200万円を予算化。このうち、東京の飲食店での消費喚起策は約600万円で、飲食店側の広告宣伝費などとして活用してもらった。
─・─・─・─・─
市民を対象にした即売会について、市民の一部からは「無料配布してもよかったのでは」「シルバー世代に配慮してハガキのみでの申し込みにしては」などとの声が本紙に寄せられた。
同様の意見は市役所にも届いているらしい。担当者は「今回は消費喚起が一番の目的だった。今後も網走産ホタテのPRに知恵を絞っていきたい」と話していた。