■ランキング
市HPでは、2016(平成28)年度から23(令和5)年度までの定期監査結果「指導事項に対する措置状況」が公開されている。
定期監査では事務作業にルール違反が見つかった際、該当部署に対して「指導」している。本紙は、市HPの公開資料を基に、「指導」を受けた〝部署ランキング〟を作ってみた。(※各年の監査対象部署が異なるため単純比較はできない)
23年度までの8年間で最も多く「指導」を受けたのは、市民活動推進課で5回だった。次いで、管理課・子育て支援課・博物館の4回、観光課・都市管理課・生活環境課・社会福祉課3回などとなっている。
住民監査請求は過去8年で2件、いずれも「棄却」
■すべて棄却
市役所の財務事務の違法性などをチェックするのは監査委員だけではない。市民も監査を求めることができる「住民監査請求」という制度がある。
網走市の場合、23年度までの8年間で、2件の住民監査請求があった。2件とも、主な請求内容は違法な公金支出についてだった。
18(平成30)年度の住民監査請求は、工事名「呼人駅前通線排水整備工事」経費の大半が民間商業施設のかさ上げ工事に費やされていたことを問題視。「本来公共工事として支出すべきでない支出が発生し、損害を与えている」(請求書より)などとし、水谷洋一市長に対して民間商業施設の工事に支出した全額の返還を求めた。
監査委員はこの請求を棄却。しかし、「工事名から工事の内容を把握できないことは、住民に対する説明の観点から配慮に欠けていた」「特定の私人に利益を供与したのではないかという疑義を受けた事実を真摯に受け止める必要がある」などとの意見書を付けた。
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水谷市長は現在、4期目。初当選から14年が経過したことになる。〝長期政権〟は組織の緩みにもつながりかねない。市長の権限が及ばない独立機関の監査委員。役所OBは「監査委員によるしっかりとしたチェックが、公平で公正な市政運営につながるはず」と期待している。