■市長もチェック対象
同監査委員の2人は、議会の同意を得た上で市長から選任された。市役所内に事務局があるものの、権限は市長から独立している。市役所の財務に関する事務の進め方が法令に違反していないか、効率的に行われているかをチェックしている。
独立した機関であるため、場合によっては市長のルール違反行為を指摘することもありうる。
定期監査の結果は住民に公表することになっている。現在、市のHPでは16(平成28)年度から23年度までの8年間分の「指導事項に対する措置状況」が公開されている。
■同じミス
23年度定期監査の対象は、職員課や観光課、建築課、学校教育課、水産港湾課などの17課と農業委員会。財務に関する事務にルール違反行為などがあった部署には「指摘」「指導」をし、改善措置を促した。
23年度定期監査では、観光課と社会福祉課、港湾課、水産漁港課の4部署が「指摘」を受けた。指摘内容は「契約事務の不適切な事務処理」や「市職員が担当する任意団体の会計事務の不適切な処理」だった。
財務事務の法令違反などチェック
同じ不適切処理を繰り返すケースも
このうちの観光課においては、2年前(21年度)の定期監査でも同様の指摘を受けていたものの再び、ルール違反行為が見つかった。観光課への指摘内容は次の通りだ。
「物品購入に係る契約事務において、随意契約ができる範囲を超えた予定価格にもかかわらず、入札による契約者選定をせずに、随意契約による不適切な事務処理が見られた」(報告書より)。
監査委員から指摘を受けたにも関わらず、同じ部署で同じミスが再び起きてしまっていたことについて、同監査委員OBは「ありえない事態。市役所のガバナンス(統治・管理力)が弱まっているのか、もしくは監査委員の指摘が〝軽く〟受け止められているのだろうか」と首をかしげていた。