公金の扱い大丈夫?㊤

2024-01-25 掲載

(網走市/社会)

~網走市監査委員の役目~

 網走市監査委員は、2023(令和5)年度の定期監査結果を公表した。同監査委員は、網走市役所の財務事務の進め方に法令違反がないかなどをチェックする機関。最新版となる23年度結果が公表されたことを機に、市のHPで公開される過去に指摘を受けたケースを調べると、同様の〝過ち〟を繰り返す部署があることなどがわかった。(大)

定期監査結果を毎年公表

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■市長もチェック対象

 同監査委員の2人は、議会の同意を得た上で市長から選任された。市役所内に事務局があるものの、権限は市長から独立している。市役所の財務に関する事務の進め方が法令に違反していないか、効率的に行われているかをチェックしている。

 独立した機関であるため、場合によっては市長のルール違反行為を指摘することもありうる。

 定期監査の結果は住民に公表することになっている。現在、市のHPでは16(平成28)年度から23年度までの8年間分の「指導事項に対する措置状況」が公開されている。

■同じミス

 23年度定期監査の対象は、職員課や観光課、建築課、学校教育課、水産港湾課などの17課と農業委員会。財務に関する事務にルール違反行為などがあった部署には「指摘」「指導」をし、改善措置を促した。

 23年度定期監査では、観光課と社会福祉課、港湾課、水産漁港課の4部署が「指摘」を受けた。指摘内容は「契約事務の不適切な事務処理」や「市職員が担当する任意団体の会計事務の不適切な処理」だった。

財務事務の法令違反などチェック
同じ不適切処理を繰り返すケースも

 このうちの観光課においては、2年前(21年度)の定期監査でも同様の指摘を受けていたものの再び、ルール違反行為が見つかった。観光課への指摘内容は次の通りだ。

 「物品購入に係る契約事務において、随意契約ができる範囲を超えた予定価格にもかかわらず、入札による契約者選定をせずに、随意契約による不適切な事務処理が見られた」(報告書より)。

 監査委員から指摘を受けたにも関わらず、同じ部署で同じミスが再び起きてしまっていたことについて、同監査委員OBは「ありえない事態。市役所のガバナンス(統治・管理力)が弱まっているのか、もしくは監査委員の指摘が〝軽く〟受け止められているのだろうか」と首をかしげていた。

キーワード

  • 定期監査結果
  • 法令違反

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