美幌町は4月から、加齢で聴力が低下した高齢者を対象に、補聴器購入費の助成を始めた。難聴による生活の質の低下の防止や認知症リスクを軽減する狙いで、最大3万円(片耳)を助成する。
難聴で意思の疎通がしづらくなると、フレイルや認知症のリスクが高まるとされている。補聴器を適切に活用することで、認知症の発症リスクが軽減するという報告もある。町保健福祉課は「意思疎通がしづらくなって周囲と疎遠になり、引きこもりがちになるケースが考えられる」という。
対象になるのは①町内に住む65歳以上②住民税非課税世帯③医師に補聴器使用の必要性を認められた④障害者総合支援法に基づく補聴器の交付を受けられない⑤過去に助成を受けたことがない⑥2024年4月1日以降に補聴器を購入した―の全てに該当する人。
助成額は、片耳の場合が最大3万円。両耳の場合は最大6万円になる。診察や検査などにかかる費用、補聴器の修理、メンテナンス、電池交換、付属品のみの購入などは対象にならない。
町は24年度予算に、片耳の場合で60人分に相当する180万円を計上。保健福祉課は「助成が社会参加や交流を促し、いきいきと暮らせる一助になれば」としている。問い合わせは高齢介護グループ(0152-77-6543)へ。(浩)