歳入では、町税が農業所得の減少により同2・6%減の5億8578万円、地方交付税は同4・9%増の25億3640万円を見込んだ。繰入金はDX推進事業などに充てる「ふるさとおもいやり基金」の取り崩しが増え同7・6%増の4億6759万円を計上しており、伊田彰町長は「決して順調な予算編成ではなく、厳しい状況には変わりない」と述べ、将来につながる財政運営の継続を強調した。
歳出の主な事業は、新年度から3年計画で進めるDX推進事業に1億283万円。公共施設の利用予約などに対応する町民アプリの開発や役場の町民課と出納室にPOSレジを設置。温水プールなど町内3カ所にキャッシュレス決済対応の券売機を導入する。
まちづくり株式会社の設立に向けた地域振興事業に1972万円。地域活性化起業人を新たに2人受け入れ、製品開発や販路拡大に向けてアドバイスを受けるほか、首都圏のマルシェにキッチンカーを出店し、食を通じて訓子府をPRする。
温泉保養センターの源泉ポンプの更新や外壁と内部コーキングの修繕に計5996万円、日ノ出地区ふれあいセンターの外部改修工事2272万円、温水プールの外壁改修の実施設計473万円などを計上。老朽化が進む公共施設は大規模改修や設備機器の更新などに取り組み、長寿命化を図る。
移住に向けて家や仕事探しで町内に滞在する場合、条件を満たすと1泊4千円を上限に最大7泊分の宿泊費を助成する補助金を新たに設ける。
このほか、中学校の体育館ボイラーの更新とアスベスト除去を含む煙突改修に3270万円、小学校の教員用コンピューター40台分の更新に1494万円などを予算化した。 (理)