連載 「地域DMO」登録から3年㊦

2024-05-03 掲載

(網走市/社会)

どうなる網走観光

 一般社団法人網走市観光協会が、観光庁の「地域DMO(観光地域づくり法人)」に認定されてから3年が経過した。同協会のHPで公開される活動内容を見てみると、既存事業の継承が目立つ。同協会は2025年度までの宿泊数などの目標値を設置しており、コロナ禍を経ての網走観光を盛り上げるためにアクセルを踏み込む。(大)

25年度の宿泊者数「50万人」目指す

■3年の歩み

 同協会は2021年3月、観光庁のDMOに登録。人口減少を踏まえて国は、成長戦略の柱に「インバウンド(訪日外国人旅行者)の誘致」を掲げる。自治体ごとにDMOの取り組みを進めることで、国全体できめ細やかな誘客策を展開でき、地域経済の活性化につながることにも期待を寄せる。

 同協会がHPで公開するDMO登録から3年間の活動内容の資料は、観光庁に提出した資料「観光地域づくり法人形成・確立計画」である。

 公開された資料には「地域住民に対する啓発」「情報発信・プロモーション」「観光資源の磨き上げ」など各項目についての詳細事業が記されている。その大半は、DMO登録前から続く既存事業となっている。

登録後の活動公開
既存事業の継承多く

■目標値

 同協会はDMOの「確立計画」に、観光客の入り込み数などの目標値を設定。同計画に盛り込んだ関連事業を進め、目標値を達成することで観光による地域づくりを実現した考えだ。

 2022年度の市内宿泊数は37万6千人だった。同協会が示す目標値は、23年度が45万人、24年度49万人、25年度は50万人とした。

 市によると、23年度の宿泊数はまもなく公表。関係者は、DMOとしての目標値「45万人」を達成できているのか注目している。

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 網走市にとって、観光業は地域経済の維持・発展に欠かせない。以前の旗振り役は網走市役所だったが、現在はDMO登録された同協会にシフトチェンジしたようだ。

 一方で、かつて網走観光を推進した役所OBや元市議は「いつの時代も旗振り役は市長しかいない」と口をそろえる。

 水谷市長は就任後、観光振興策として網走マラソンを実現。今年で10回目を迎える。進む人口減少に合わせ、地域経済が冷え込む網走市。水谷市長の舵取りに期待が寄せられている。

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