若葉のころが過ぎ、青葉に向かって木々の勢いが増す中、北見市内の公園や住宅街で「エゾハルゼミ」の声が聞こえるようになった。北見ヶ丘霊園で声を頼りに姿を探すと、懸命に自らの存在をアピールして鳴く、雄のセミを見つけた。
体長3~4㌢あまり。北海道では最も早く出現するセミで、市内では運動会シーズンが近付くころ、夏を感じさせる陽気に誘われて鳴き始める。
ハルニレの木に止まるエゾハルゼミ。「ミョーキン、ミョーキン」と独特の前奏に始まり、後半は力強く「ケケケケケケ」と鳴く。光が差し込むと、伸び縮みする黄土色の腹部が輝くように透けて見え、自然の美しさと生命力を感じさせる。
セミの声に季節がまた一つ、進んだような気がした。(理)