第51回北見市民大学講座(北見文化連盟主催)の第3講座(最終回)が18日、市民会館で開かれた。遠軽町教育委員会埋蔵文化財センター学芸員が講師を務め、昨年国宝に指定された同町の「北海道白滝遺跡群出土品」について解説した。60人ほどの市民が熱心に耳を傾け、古代のロマンに思いを馳せていた。
同出土品は日本最大級の黒曜石の原産地、赤石山の麓の遺跡群から出土した旧石器時代(約3万8千年前~1万6千年前)を中心とする700万点の遺物で構成。国内の旧石器時代の出土品の中でも内容及び質量ともに群を抜き、世界的にも高い価値を有する。
学芸員は黒曜石について「マグマの急冷によって出来た火山岩で、ガラス質が豊富。加工がしやすく優れた石材」と説明。白滝の出土品の特徴については「石器の種類が豊富で、幅広い年代の遺物が見つかっており、技術力の進歩や効率化が見て取れる」と解説した。
昨年、北見市の常呂川河口遺跡墓坑出土品が国の重要文化財に指定されたことなどをふまえ「オホーツクは古代のロマンが溢れる魅力的な地域。謎が多い面もあるが、それだけに伸びしろも多い」と語った。
学芸員は石器作りも実演。石やエゾシカの角、木材の道具を使って黒曜石の原石を加工していった。活発な質疑応答も行われ、参加者は旧石器時代の人々の暮らしに理解を深めていた。(柏)