女性に乳がんが見つかったのは、会社の健康診断がきっかけでした。もともと乳腺症の疑いがあったため、健診に乳がん検診のオプションを付けていたと言います。再検査となり医師の診察を受けたところ、痛みを感じていた左ではなく右側に乳がんがあることが分かり、全摘出手術を受けることに。「一瞬、えっ?と思いましたが、じたばたしてもしょうがない。こんなに冷静でいいのかというくらい冷静に受け止めました」。
その後、入院、手術、退院後も仕事をしながら週1回の抗がん剤治療に通いました。抗がん剤後は副作用の影響か体調が悪くなり、会社を早退することも。2回目の抗がん剤の副作用で髪の毛が抜けたため、カツラを購入して日常生活を過ごしていたそうです。治療中に大変だったことは「全身の倦怠感と、食べるのが好きなのに味が分からなくなって食べられなくなったこと」と振り返ります。
術後10年以上経過した現在は通院も終わり、後遺症もなく過ごしています。「自分は恵まれていたと思います」と話します。
女性は昨年まで、女性による世界的なボランティア団体・国際ソロプチミスト北見みんとに所属していました。取り組みの中に「ピンクリボン運動」として、乳がん検診を呼びかける啓発活動があり、経験者である女性は熱心に乳がん検診の大切さを訴えました。
今思うことは「治療にはお金もかかるため保険にも助けられ、とても大切だと感じました。私は年齢もあって、全摘と聞いても受け止められましたが、若い人はショックだと思います。健康診断、乳がん検査は絶対受けた方がいいですと、特に若い人に言いたいです」。