マスボクシングは、パンチを当てない〝寸止め〟のボクシング。大会では有効打とみなされるパンチや防御などで優劣を決する。近年は競技人口が拡大傾向にあるという。
里見さんは、長年取り組んできたマラソンのトレーニングの一環で6年ほど前にボクシングエクササイズを始めた。次第にボクシングの魅力に引き込まれ、2021年に初めてマスボクシングの大会に出場。同じ階級に出場選手がいなかったため他の階級の選手と対戦し、実力の高さが評価されて認定という形で優勝。次の年も認定での優勝を遂げた。
昨年の大会では、強敵の小堀育子選手(東京都)に敗れて3位。その悔しさからこの1年は〝打倒小堀選手〟を胸に練習に打ち込んできた。
今大会では、決勝で小堀選手と対戦。試合時間は1ラウンド1分×3Rと通常のボクシングに比べ短いが、手数勝負でインターバルも30秒と短いため、体力の消耗が激しいという。
里見さんは足を使い、打っては離れるヒット・アンド・アウェイの作戦で試合に挑んだ。スタミナには自信のある里見さんだが「終わった時は体力を使い果たし、放心状態でした」と振り返る。
優勝の瞬間は「とにかく嬉しかった。北海道の選手達の応援も励みになりました。今回3度目の優勝ですが、初優勝のような気持ちです」と声を弾ませる。「最近ようやくボクシングの面白さ、魅力が分かってきた気がします」と語り、連覇に向け練習に打ち込んでいる。(柏)