尺八演奏家の藤原道山さんが美幌観光物産大使に任命された。11日に役場で任命式が行われた。翌12日は美幌北中学校でワークショップが行われ、藤原さんが3年生に尺八の魅力や挑戦の大切さを伝えた。
藤原さんは、町内で以前開かれていた「子どものための美幌国際芸術祭」に2000(平成12)年から参加し、尺八を演奏。現在まで何度もコンサートで来町するなどゆかりがある。国内外で演奏し、さまざまなジャンルのアーティストと共演。東京藝術大学准教授も務める。
任命式では、美幌町の平野浩司町長と美幌観光物産協会の宮田博行会長が連名の任命書を藤原さんに手渡した。宮田会長は「町内には特産品も多く(屈斜路カルデラ)トレイルルートも開通したばかり。広めていただけたら」、平野町長は「美幌の良いところを広く伝えていただけたら」と期待を述べた。
藤原さんは「美幌町はさわやかですばらしい人が集う町。町の文化や物産を広めていきたい。町を訪れた時は、子どもたちに和の文化を伝えていきたい」と抱負を述べ、SNSを活用した美幌町の発信など大使の活動に意欲をのぞかせた。
北中では3年生74人を対象にワークショップ。尺八を演奏し、吹き込み方で音色を変える「息」、穴を半分ふさぐなどして音階をつくる「指」、前後や左右に揺らしてビブラートなどを表現する「首」の3つの動きが重要と説明した。
生徒の代表が樹脂製の尺八で演奏に挑戦したものの、音が鳴らずに苦戦。藤原さんの指導で数人は音を鳴らした。生徒たちは「とても難しいけれど音が出るとうれしい」「自分は聴く側に回りたい」などと感想を述べた。
藤原さんはさまざまなアーティストとの共演などについて「尺八の可能性を広げたいと思い、できるんじゃないかなと思うことは挑戦しています。楽器のお陰で、役者さんなどいろいろな世界の方と出会うことができました」と語った。(浩)