置戸町の豊年種まき踊り保存会は、少子化を受けて子ども達への伝承活動を休止する。19日(日)に境野公民館で開かれる「ふれあい昼食会」の舞台を最後に区切りをつけることとし、本番に向けて子ども達への指導が行われている。
豊年種まき踊りは畑を耕して種をまき、草取りし、収穫の秋を迎えるまでの過程を列を組んでリズミカルに踊る伝統芸能。明治の末に下置戸(現境野・豊住地区)に入植した宮城県の人達が、祭事の際にふるさとを思い出して披露したのが始まりとされる。
踊りは豊住地区の青年団が継承し、1970年には保存会が発足。境野小学校があったころは学校行事の一環で児童達が踊りに取り組んでいたが、閉校後は子ども会の子ども達が伝承し、地域の敬老祭で披露してきた。
少子化の加速や子ども達のライフスタイルの変化もあって活動時間の確保が難しくなっており、区切りをつけることにしたという。
子ども達への指導は昨年12月から開始。保存会メンバーが手本を見せながら舞台上での動きや細かな振りを指導している。踊り手の一人、置戸小6年児童は「地域の人たちに喜んでもらえるよう頑張りたい」と意気込む。
保存会の会長は「活動休止は残念だが、これまで協力してもらった地域の人達に見守られながら子ども達が踊り納めをしてくれる。賑やかに区切りを迎えたい」と話している。(理)