■同じ市民
今月26日、社会教育課は市内で働く外国人技能実習生らを対象にした「網走を楽しむ 冬のバスツアー」を開催する。多文化共生推進事業の一環で、参加者はバスで移動しながらオホーツク流氷館や網走神社などを訪れるほか、ウインタースポーツ体験を楽しむ。
定員は30人。外国人を雇用する市内事業所などを通じて参加を募ったところ、14日時点で50人を超す人気ぶりだ。
同課は「外国人就労者も『網走市民の1人』と捉えた試み。バスツアーをきっかけに、市内にある文化サークルなどにも興味を持ってもらえたら」と期待を寄せる。
同課は昨年5月にも多文化共生をテーマにした事業を実施。外国人と市民の交流を促す試みで、参加者の反応は上々だった。
こうした取り組みを踏まえ、同課は「市内で働く中国人などの一部は日本語と英語を話すことができず、市民との交流が簡単ではないということを実感した」と振り返る。
住民との想定されるトラブル
市は「雇用事業者が取り組むべき」
■住民の限界
市は今後、市営住宅に入居できる〝外国人枠〟を増やす考えだ(※現在、約40人の外国人就労者が市営住宅で暮らす)。
ただ、日本語と英語が不得手で、母国語しか話せない外国人就労者と地元住民との意思疎通は容易ではない。ごみの出し方など日常生活に関するルールを覚えられないと、地元住民とのトラブルに発展する可能性もある。
こうした〝想定されるトラブル〟について、市側の基本スタンスは「雇用する事業者が主体となって取り組むべき」だ。
市営住宅で暮らす外国人と地元住民が良好な関係を築くため、市側は「町内会主催のイベントに招くなどしては」と期待する。しかし、大曲地区の男性住民は「高齢化で町内会の運営自体が大変な状況の中、外国人との交流まで手がけるのは難しい」と胸中を明かす。