長年、置戸町の豊住、境野地区の人々が受け継いできた「豊年種まき踊り」の最後の舞台が19日、境野公民館で開かれたふれあい新年昼食会であった。保存会から直々に踊りの指導を受けた地域の子ども達が堂々と踊りを披露し、地域住民に見守られながら賑やかに区切りを迎えた。
少子化や子ども達のライフスタイルの変化を受け、豊年種まき踊り保存会が踊り手を担う子ども達への伝承活動の休止を決めた。活動の区切りとして発表の場を設け、保存会と地域の子ども会が昨年12月から練習を重ねてきた。
軽快な笛と太鼓の音に合わせ、法被や着物姿の子ども達が舞台に登場。小道具の鍬(くわ)や鎌を手に持ち、畑を耕し、種をまいて草取りし、刈り取りの秋を迎えるまでの過程をパートごとに列を組んでリズミカルに踊った。汗を拭ったり、実りの秋を迎えた畑を見渡すなどの細かな所作もあり、観客をわかせた。
保存会の会長は「地域のたくさんの人に見てもらえてよかった。子ども達も頑張ってくれた。今回踊った経験がいつか伝承の種となればうれしい」と話していた。 (理)