
論文は24年度の特別展「カメラは見た!動物たちの素顔」で取り組んだ、脱プラスチックと廃棄物削減について執筆した。
展示物を解説するパネルなどは、耐久性、加工のしやすさなどから発泡スチレンやアクリルボードなどのプラスチック、アルミ板などが一般的に使われる。
「カメラは見た!―」のパネルは、一部を除いて発泡スチレンボードの代わりに段ボールを使い、印刷した紙をスプレーのりで張った。展示物の名前などを紹介するキャプションも厚紙や木材でつくった。
町田さんは「自然のことを紹介する展示なので、少しでも環境にやさしい展示にしたいと思ったのがきっかけです」と話す。
特別展でのプラ類を使わない展示物やリサイクル・リユースなど紹介
展示物は通常、開催期間が終わると廃棄される。発泡スチレンボードは、美幌町だと埋め立てるごみに分別される。
「カメラは見た―」では段ボール、厚紙、小型金属など約60%をリサイクルした。一部は斜里町や釧路市、根室市の博物館などで展示し、展示物自体をリユースした。
ただ、一部のパネルでは、段ボールにのり付けした紙がはがれるなどした。また、芸術性が高い展示物のキャプションなどは、相応のクオリティも求められるといえる。
訪れる人が理解深めるきっかけになれば
現在はリサイクル可能な発泡スチレンボードもあるという。町田さんは「制約もあるが、自分がかかわる展示物については、今後もできる限りリサイクルでき、ごみを減らせる素材を使いたい」と話している。 (浩)