
少子化が進んでチームスポーツなどの人数を確保するのが難しくなり、美幌町は24年度、地域移行に向けた取り組みを本格化。サッカー部をはじめ野球部、女子バスケットボール部で、美幌中学校の生徒が北中学校の部活動に参加する「拠点校方式」を導入した。
このうちサッカーは指導体制確保に向けた少年団との実証事業、保護者への説明会、意見交換会などを経て地域に移行した。
クラブには美幌北中、美幌中に加え、津別中、北見東陵中の生徒計31人が所属。活動は週5日、平日は午後6時半までと部活動に準じている。
監督は少年団の監督も務める寺島悠司さん(38)。美幌町職員ら多くのサッカー経験者がコーチを務めている。主将の大西光くん(美幌北中3年)は「コーチがいつも来てくれるので、常に質の高い練習ができています」と感謝。小学生時代に少年団に所属していた生徒も多く、戦術なども一貫して学んでいるという。
クラブでは、コーチ陣に加え「父母スタッフ」も設け、保護者が試合の審判を務めたり、ウオーミングアップを手伝うなど指導者とともに活動にかかわることができるようにしている。美幌消防署に勤務する寺島さんは「現在は仕事の関係でなかなか練習に行けないが、スタッフのお陰で指導、試合の帯同などもスムーズに回っています」と話す。
中体連とサッカー選手権はどちらかに参加できるが、クラブは中体連を選択。6月下旬からのオホーツク管内の予選に向けて練習している。中体連に加え、管内のリーグ戦にも2チームが参戦している。「中体連は全道大会に出て、良い試合をしたい。リーグ戦は2部から1部に上がりたいです」(大西くん)と目標を掲げている。
美幌町は「部活動を持続可能なものにするため、サッカー以外でも地域移行の可能性を探っていきたい」としている。(浩)
