新規採用者の離職問題など本音もポロリ

2025-06-30 掲載

(網走管内/社会)

北見で「ざっくばらん懇談会」

学校と企業、行政機関が就職や人材育成などテーマに

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 学校と企業、行政機関が就職や人材育成などをテーマに、率直な意見を交わし合う「ざっくばらん懇談会」が20日、Nicc芸術文化ホール(北見芸術文化ホール)で開かれた。中小企業家同友会オホーツク支部が10年以上続ける懇談会に、今年からオホーツク教育局が共催。例年以上に多くの現場教師が参加し、企業の担当者らとストレートな会話で盛り上がった。

 企業にとってこの懇談会は、人材確保のあり方や若者の思考を知る機会になっている。一方で同教育局は、進路指導やキャリア教育に関して直接情報を得る良い機会と捉え、今年から主催者として参加。進路担当教諭ら8高校の教師や管理職らと同教育局職員を含め学校側が15人、企業と就職情報関連を合わせ計36人が参加した。

 「中高生で身につけておきたい力」「企業を辞めていく理由と続ける力をつけるために」といったテーマの下、6つのグループに分かれて情報交換。メンバーを入れ替え、別の構成で計3回実施した。

空前の〝売り手市場〟に企業側も困惑

 近年、新規採用者が職場に長く続かない傾向があるという状況に「就職氷河期だった我々世代には考えられない売り手市場。辞めてもいいという風潮があるようだ」と企業側の担当者。「親御さんも寛容になってきている。1回辞めて、やっぱりここが良いと再度入り直す人もいる」と離職希望者の取り扱い方の難しさを打ち明けた。

 学校側の参加者は「生徒の考え方が変わってきている。本人の意思を重んじるのが世の中の流れ。教育現場で教えているわけではないが、配慮はしなければならない。流れを高校で変えるのは難しい」と本音。ほかにも「親が関わり過ぎる傾向がある。その結果、高3になっても進路が決まらないケースもある」などと愚痴にも似た言葉が漏れた。

新人教師には貴重な機会に

 共催参加を振り返り、同教育局社会教育指導班は「これまで企業の声を直接聞く機会は少なかった。活発な意見交換が行われ、参加した1~2年目の教師にとっては貴重な機会になった」とメリットを挙げ成果を語った。 (寒)

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