中学校部活動の地域移行は、少子化や教員不足により学校単独での部活動継続が困難な現状を踏まえ、地域全体で部活動を支える体制を構築し、生徒が継続してスポーツや文化活動に取り組める環境整備が狙い。
国は2023~25年度を「改革推進期間」26~31年度を「改革実行期間」として部活動の地域移行を進めている。
北見市では市教委や校長会、スポーツ協会、文連などで組織するプロジェクト会議が中心となり、地域移行を推進。部活動の受け皿となる地域クラブ活動認定制度を24年度に導入し、現在までにスポーツ系はバスケットボール、サッカー、陸上、柔道など16団体、文化系は合唱1団体の計17団体が認定を受け、合わせて約200人が所属。市教委によると来年度には25~30団体に増える見通しという。
一方、大会やコンクールへの出場・参加を希望しない生徒の受け皿となるのが短時間エンジョイ型活動。教職員の勤務時間内となる平日放課後1時間程度の活動を想定。活動内容や実施頻度などは各学校がそれぞれの規模や実情、生徒のニーズに合わせて今後、検討していくことになるという。活動内容は、複数の種目から選択する方式や体育系と文科系に分ける方式などが予想されるが、各校がどのような方法を採用するかは、今のところ未定だ。
開始時期は26年度の3年生が部活動を引退した後で、年度内には実施の運びとなる見込み。そのため、生徒の選択肢は①地域クラブへの加入②短時間エンジョイ型活動への参加③習い事など各自の活動④どれにも参加しない―のいずれかとなる。
今年度の中学校部活動加入率は72%で、市内14校の生徒2567人中1854人が加入。市教委によると今後、地域クラブや短時間エンジョイ型活動の加入割合がどうなるかは、予想が難しいという。
市教委の担当は「今後は地域クラブ活動の練習場所の割り振りや指導者の確保などが課題になる。短時間エンジョイ型活動は生徒達が色々なことを楽しく体験できる機会になれば」と話している。 (柏)